まだまだ寒いですぅ〜
風邪で受診いただくことも多いのですが、中には頭が痛い!と問診で
チェックされている方もおられます。意外と多いんですよ。もちろん、咳嗽(せき)や
鼻水、咽頭痛(喉が痛い)、発熱の症状が多いのは勿論なんですが頭痛も訴えられます。
風邪の時熱が高ければ頭痛がします。これがもし頭の中に感染が起こる髄膜炎や脳炎だと
話が変わります。「風邪をひいてこんなに頭が痛いのなんて初めて!」と思ったら迷わず
医療機関に受診しましょう。もうろう状態になるような意識障害があれば救急車を呼んでも
おかしくありません。
脳や脊髄は豆腐が水に浮かんでいるように髄液にどっぷりと浸かって衝撃を吸収しております。
髄液を入れている大きな袋を髄膜と呼びます。ここに感染が起こると髄膜炎となり、
髄膜が刺激を受けるとかなり強い頭痛を経験します。臍を見るように下を見ると首の後ろが突っ張り
固く痛みを伴います。仰向けに寝て、股関節を曲げておき、膝を伸ばすと後頭部に痛みが走ります。
車で揺られるのも頭に響きますし、トイレでお尻を拭くのも頭を下げるので痛みを伴います。
便利なテストとしてjolt accentuation testがあります。
わかりやすく福井大学救急の林先生は頭ブンブンテストと言っています。1秒間に頭を左右に2、3回
ブンブン振ってみると髄膜炎患者さんは97%は頭が痛くなります。勿論、片頭痛の人や二日酔いの
人は頭ブンブンができませんので、できないからと言って髄膜炎とは断定できません。
風邪によく似たウイルスが起こすウイルス性髄膜炎が圧倒的に多いのですが、自然治癒が多いのです。
ところが稀ではありますが、細菌が原因の細菌性髄膜炎の場合であると4割の人が死亡してしまいます。
髄膜炎を起こしやすい細菌に対するワクチンが普及してきております。インフルエンザ菌b型のワクチン
(ヒブワクチン)や肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスやプレベナー)の接種も高齢者や喫煙者、
脾臓摘出後状態、糖尿病患者、HIVなど免疫が弱い人は是非相談の上ワクチン接種を考えましょう。