糖質制限のはき違い
なるべく早く内臓脂肪を落としたい!すぐにでも痩せたい!という強い思いから糖質の摂取量を極端に
減らす方がおられます。身体のことを考えるならばあまりお勧めしません。なぜか?
糖質を減らすのだから脂肪肝は改善するでしょうと思いますよね?でも実は逆に「低栄養性脂肪肝」、
通称「ダイエット脂肪肝」になってしまうケースがあるのです。糖質は3大栄養素の一つなので
なくてはならないものです。それを全くない状態にすると肝臓に蓄積される中性脂肪が極端に不足
してしまうのです。頑張れば脂肪肝が改善するように思いませんか?しかーし、中性脂肪は
食事がとれないときであっても活動するためのエネルギーが不足することがないように、エネルギー
を蓄えておく重要な働きを持っているのです。そのため、やばい!中性脂肪がなくなるぅ~と判断して
体中の中性脂肪を肝臓に送りこむように働くのです。そのため、肝臓に中性脂肪が集中して脂肪肝に
なってしまうのです。頑張りが逆方向に向かってしまっている例ですね。怖い。
糖質を制限してもちろん体重は痩せますが、お腹だけは痩せないもしくは脂肪肝の数値が悪化している
そんな人は、肝臓に脂肪がたまってダイエット脂肪肝になっているのではないでしょうか?
1日の糖質摂取量としては男性250g、女性200gが望ましいとされています。しかも、ダイエットで
健康的に減量するのであれば1か月500g程度が目安だと思います。
体は飢餓と勘違いしてため込もうとするのですね。太古の昔から人間は飢餓との戦いで、血糖を
上げようとするホルモンは数種類ありますが、血糖を下げるホルモンはインスリンだけと飢餓に
対応して作られているのですね。だから飽食の時代と呼ばれる現代には過剰な糖質制限が流行します。
もちろん、私も極力糖質を…と考える体形をしているので夕食の主食は控えています。でも朝食と
昼食はしっかりと食べるようにしています。糖尿病専門の看護師さんが当院には2名在籍しています。
彼女たちは糖尿病のみならず、糖質はもちろん効率的な栄養の取り方、運動もちろん糖尿病との関わり
のプロフェッショナルなのです。興味のある方は是非受診してみてください。