2026.08.03

健康神話を考える

以前から時折、医療リテラシーというものについてこのブログで取り上げてきたことがあります。まず皆さん、思い出してみてください。1週間前の朝食、昼食、夕食はなんだったでしょうか?そう言われてパッと思い出す人はほとんどいません。先週の会議の内容は思い出せても、食べたものについてはなぜ思い出せないのでしょうか?この謎を考えてみます。行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱した理論によると人間の思考には「システム1(直感脳)」と「システム2(論理脳)」の2通りがあります。人の脳は、日常生活で瞬時の対応が求められる小さな問題はシステム1で処理し、即答は求められないけれど熟考を要する問題はシステム2で処理します。システム1による判断はまさに直感で経験をもとにした判断を下します。「今お茶を飲むべきかどうか」についてシステム2で考えていたら喉が渇いて死んでしまいます。ビジネスマンであれば好みや感覚(直感)で重要な意思決定をすることはありませんよね。数字を見たり、比較検討して論理的に判断をくださいているはずです。それなのに実は重要な自信の寿命を左右する食事の内容になるとシステム1で選んでいないでしょうか?できるだけシステム2を使って科学的また論理的に食べるものを選ぼうとした時に拠り所とするのが「エビデンス」です。ここ最近メディアも「エビデンス」という言葉を使いますが、そのエビデンスにどう向き合うのかが重要だと思うのです。まず、自分に関係があるのかないのかです。グルテンフリーは本来セリアック病のための食事療法ですが、セリアック病(グルテンに対する免疫反応により小腸が損傷する遺伝性の自己免疫疾患)が何かも知らずに飛びつく人がいます。まずは普段食べているものを知ることから始めるべきですね。また、2つのエビデンスがあるにもかかわらず相対的に重要度の高いものを無視してしまうことをしてしまいがちです。例えば、血圧が高くて減塩すべきなのに、減塩せずに効果のないサプリだけ飲んで満足すると言った行動をとってしまいます。また、なぜ、その物質が効果的なのか検証されているのか、2つの物質があればA,Bどちらがどれだけ効果があるのかという量と質の検証ができているのかということがエビデンスを見つめ直す際に重要となるのではないでしょうか?このようにエビデンスとの正しく向き合う方法を知らないまま、〇〇は健康にいいとか、〇〇が血糖値を下げると言った膨大な情報に日々晒されています。食べ物の話になれば我々は「科学」として認識せずにシステム1で受け取ってしまうのです。今でも訳の分からないおじさまが聞きなれない物質名を並べながら効能を語る専門家らしき人物がいます。敢えて難しい専門用語を平気で使う人は、権威でケムに撒こうとしているニセモノだと思って構いません。本当の専門家は平易な言葉でしか使いませんし、分からないことは「まだ分かりません」と正直に話します。私は一応ニセモノではないのですが・・・笑笑