尿もれ(尿失禁)

尿もれ

尿もれとは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態を指します。加齢や出産の影響によるものと思われがちですが、骨盤底筋の衰えや過活動膀胱、前立腺肥大症、神経の病気など、さまざまな原因が関係していることがあります。「くしゃみをしたときに少し漏れる」「トイレに間に合わないことが増えた」といった症状は珍しいものではありません。しかし、日常生活に支障をきたしたり、外出を控えるようになったりすることで、生活の質(QOL)が低下する原因にもなります。尿もれは適切な治療によって改善が期待できる症状です。「年齢のせいだから仕方がない」と我慢せず、気になる症状がある場合は早めに泌尿器科へ相談することが大切です。

尿もれの相談

このようなお悩みはありませんか?

・咳やくしゃみをしたときに尿が漏れる
・急に強い尿意を感じ、トイレまで我慢できない
・頻繁にトイレに行くようになった
・夜中に何度もトイレで目が覚める
・尿が漏れることが心配で外出を控えている
・尿が出にくい、残尿感がある
・排尿時の痛みや血尿を伴う
・出産後から尿もれが気になる
・前立腺肥大症を指摘されたことがある
・糖尿病や脳梗塞などの持病がある

尿もれは、加齢による変化だけでなく、膀胱や前立腺、神経の病気が関係していることもあります。症状を放置すると悪化する場合もあるため、「恥ずかしいから」と一人で悩まず、泌尿器科専門医へ相談することが大切です。

泌尿器科にご相談

尿もれが起こる原因

尿もれの原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こる場合があります。

骨盤底筋の衰え

女性では妊娠や出産、加齢などによって骨盤底筋が弱くなり、尿道を十分に支えられなくなることがあります。その結果、咳やくしゃみ、重い荷物を持った際など、お腹に力が入ったときに尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」が起こります。

過活動膀胱

膀胱が過敏になることで、突然強い尿意が起こり、我慢できずに漏れてしまうことがあります。頻尿や夜間頻尿を伴うことが多く、「トイレが近い」「急いでトイレに行かないと漏れてしまう」といった症状が特徴です。

前立腺の病気

男性では前立腺肥大症によって尿の流れが悪くなり、膀胱に尿が残りやすくなることで尿もれが起こることがあります。排尿に時間がかかる、尿の勢いが弱い、残尿感があるなどの症状を伴うことがあります。

神経の病気

脳梗塞やパーキンソン病、脊髄疾患、糖尿病などによって膀胱をコントロールする神経に障害が起こると、排尿機能に異常が生じることがあります。

尿路感染症

膀胱炎などの感染症では、頻尿や尿意切迫感とともに尿もれが起こることがあります。
排尿時痛や残尿感、発熱などを伴う場合には感染症の可能性も考えられます。

尿もれの種類

尿もれにはいくつかのタイプがあり、症状によって治療法も異なります。
⚪︎腹圧性尿失禁
咳やくしゃみ、笑ったとき、重い荷物を持ったときなど、お腹に力が入った際に尿が漏れるタイプです。女性に多く、妊娠や出産、加齢による骨盤底筋の衰えが主な原因です。軽症であれば骨盤底筋トレーニングで改善することもあります。

⚪︎切迫性尿失禁
急に強い尿意を感じ、トイレまで間に合わずに尿が漏れてしまうタイプです。過活動膀胱が原因であることが多く、頻尿や夜間頻尿を伴うこともあります。

⚪︎溢流性尿失禁
膀胱に尿がたまりすぎて少しずつ漏れてしまう状態です。前立腺肥大症や神経障害などが原因となり、尿が出にくい、残尿感があるといった症状を伴います。

⚪︎機能性尿失禁
膀胱や尿道に異常がなくても、認知症や運動機能の低下などによってトイレに間に合わず尿もれが起こるタイプです。機能性尿失禁は高齢者に多くみられると言われています。

尿もれの相談

尿もれの原因となる病気

  • 過活動膀胱
  • 腹圧性尿失禁
  • 前立腺肥大症
  • 膀胱炎
  • 尿道炎
  • 神経因性膀胱
  • 骨盤臓器脱
  • 糖尿病
  • 前立腺がん
  • 膀胱がん
  • 脳梗塞
  • パーキンソン病
  • 脊髄疾患

尿もれそのものは命に関わる症状ではありませんが、その背景に病気が隠れている場合もあるため、原因を明らかにすることが重要です。

尿もれを悪化させる生活習慣

尿もれは、加齢だけでなく日常生活の習慣によって症状が悪化することがあります。
・肥満
体重が増えるとお腹の圧力が高くなり、骨盤底筋への負担が大きくなるため、腹圧性尿失禁を起こしやすくなります。適正体重を維持することは、尿もれの改善にもつながります。

・便秘
便秘によって腸に便がたまると膀胱が圧迫され、頻尿や尿もれの原因になることがあります。また、強くいきむ習慣は骨盤底筋に負担をかけるため、症状を悪化させる要因になります。

・カフェインやアルコールの過剰摂取
コーヒーやお茶、アルコールには利尿作用があり、尿量の増加や膀胱への刺激によって頻尿や尿意切迫感が強くなることがあります。

・喫煙
慢性的な咳は腹圧を高めるため、腹圧性尿失禁を悪化させる原因になります。また、喫煙は膀胱がんのリスク因子としても知られています。

症状を改善するためには、治療だけでなく生活習慣の見直しも重要になります。

女性と男性で異なる尿もれの特徴

⚪︎女性の尿もれ
女性では、妊娠や出産、加齢、更年期などによって骨盤底筋が弱くなることで、咳やくしゃみをした際に尿が漏れる「腹圧性尿失禁」が多くみられます。また、更年期以降は女性ホルモンの低下によって膀胱や尿道の機能が変化し、頻尿や尿意切迫感を伴うこともあります。

⚪︎男性の尿もれ
男性では、加齢に伴う前立腺肥大症や前立腺がんの治療後に尿もれが起こることがあります。尿が出にくい、勢いが弱い、残尿感があるといった症状とともに、尿もれがみられる場合には前立腺の病気が隠れている可能性があります。尿もれの原因は男女によって異なるため、症状に合わせた適切な診断と治療を受けることが大切です。

尿もれの検査

①尿検査:感染症や血尿の有無を調べます。

②血液検査:腎機能や糖尿病の有無などを確認します。

③超音波検査:膀胱や前立腺、腎臓の状態を調べ、残尿量などを評価します。

④排尿日誌:排尿回数や尿量、水分摂取量などを記録し、症状の特徴を把握します。

⑤尿流測定検査:尿の勢いや排尿状態を調べます。

⑥残尿測定:排尿後に膀胱内にどの程度尿が残っているかを確認します。

➆膀胱機能検査:必要に応じて膀胱の働きを詳しく調べる検査を行うことがあります。

症状や生活習慣などを詳しく確認しながら、必要に応じて検査を行うことが大切です。

尿もれの治療

・生活習慣の見直し

適度な水分管理や体重コントロール、便秘の改善などが症状の軽減につながります。

・骨盤底筋トレーニング

腹圧性尿失禁に対して有効であり、継続することで改善が期待できます。

・薬物療法

過活動膀胱や前立腺肥大症に対しては、症状を和らげる薬を使用することがあります。

・手術治療

重症の腹圧性尿失禁や前立腺肥大症などでは、手術による治療が検討されることがあります。

原因や症状の程度に応じて治療方法を選択することが重要となります。

尿もれに気づいたら放置せずにご相談ください

尿もれは、加齢による自然な変化と思われがちですが、過活動膀胱や前立腺肥大症、膀胱炎など治療によって改善が期待できる病気が原因となることもあります。また、まれに膀胱がんや神経疾患などが隠れている場合もあります。「年齢のせいだから仕方ない」「恥ずかしいので誰にも相談できない」と我慢している方も多くいらっしゃいますが、尿もれは決して珍しい症状ではなく、適切な診断と治療によって症状の改善が期待できます。尿もれによって日常生活に不便を感じている方や、頻尿、排尿時痛、血尿などを伴う方は、自己判断せず、金沢市上安原にあるいりたに内科かかりつけクリニックまでお気軽にご相談ください。

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