名画『落穂拾い』とポンポンの「食欲の秋」
こんにちは、いりたに内科クリニックです。9月12日を迎え、朝晩の風にはっきりと秋の気配が混じるようになってきました。フランスの画家ミレーが描いた名画『落穂拾い』には、黄金色に実った麦の収穫風景が描かれており、まさにこれからの季節の豊かさを象徴しています。実りの秋といえば、我が家の愛犬であるポンポンも、最近は涼しくなって元気が出てきたのか、ご飯をおねだりする目がいつも以上にキラキラ輝いていて、まさに「食欲の秋」を全身で体現しています。そんなポンポンの旺盛な食欲を微笑ましく見守る一方で、健康診断で「脂質異常症」や「コレステロールが高め」と指摘されたことのある人間の皆さんにとって、この9月中旬は1年の中で最も警戒すべきタイミングなのです。脂質異常症というと「脂っこいものの食べすぎ」が原因と思われがちですが、実はこの時期に血中脂質が跳ね上がる「秋の脂質バテ」という意外な現象が最新の代謝内科のエビデンスで明らかになっています。私たちは夏の間、厳しい暑さを乗り切るために自律神経をフル稼働させて血管を拡張し、汗をかいて体温を下げてきました。この夏の疲労がドッと出るのが9月の今です。自律神経が疲弊すると、肝臓でのコレステロールの代謝機能が一時的に低下してしまいます。つまり、食事の量を変えていなくても、夏の疲れのせいで血液中の悪玉(LDL)コレステロールが処理しきれずに滞留してしまうという、意外な落とし穴が存在します。さらに、最新の研究では、秋への気温低下に伴い、身体が脂肪を蓄え込むモードへシフトすることも分かっています。ミレーの絵に描かれた収穫や、ポンポンの旺盛な食欲のように、私たちの身体もまた冬に備えてエネルギーを蓄えようとする本能的なスイッチがこの9月12日頃にオンになるのです。ですから、まだ本格的に秋の味覚をドカ食いしていないから大丈夫という油断は禁物です。この時期の脂質異常症対策として、まずは夏の疲れを癒やす質の高い睡眠を心がけ、自律神経を整えてあげましょう。明日のブログでは、この脂質異常症が引き起こす血管の意外なSOSについて、映画のワンシーンを交えてさらに深掘りしてお届けします。ぜひお楽しみに。