2026.10.03

健診の「異常」を正しく恐れるための医学

こんにちは、いりたに内科かかりつけクリニックの入谷敦です。10月3日を迎え、心地よい秋晴れの下で健康診断を受ける方も多い季節になりましたね。健診結果を受け取った際、赤い文字で「異常あり」と書かれているのを見て、目の前が真っ暗になるような不安を感じた経験はありませんか。今回から5回にわたり、健診での異常をどう捉え、どう行動すべきかについて、面白くてためになる医学の視点をお届けします。第1回となる本日は、健診結果に書かれている「基準値」という数字の正体についてお話しします。実は、医学における基準値(基準範囲)というのは、絶対的な健康と病気の境界線ではなく、あくまで統計学的に導き出された数字に過ぎません。基準値は、一般的に「健康だと考えられる人たち」を大勢集めて検査を行い、その中の「中央の95%の人」が含まれる範囲を計算して決めています。つまり、確率の計算上、完全に健康でどこにも異常がない人であっても、100人のうち5人、20人に1人は必ず「基準値から外れた異常値」として判定されてしまう仕組みになっているのです。複数の検査項目があれば、そのうちのどれか一つが基準から外れる確率はさらに高くなります。そのため、一度の健診で1つの項目が少し基準を外れたからといって、すぐに大きな病気だと一喜一憂しすぎる必要はありません。生まれつき特定の数値が少し高めだったり低めだったりする「体質の個人差」であるケースも非常によくあるからです。大切なのは、その数値があなたにとって「昨日と違う急激な変化」なのか、それとも「毎年変わらないいつもの値」なのかを見極めることです。健診の数字は、あくまであなたの身体の個性を映し出す鏡のようなものですから、まずは冷静に結果を見つめることから始めましょう。もし気になる項目があれば、必要に応じて次のステップに進めばいいのお一人で悩まずに、いつでもお気軽に当院までご相談ください。よくあるのはネット検索して〜と不安をさらに煽られて来院する方もおいでます。あなただけではありません。気楽にご相談くださいね。