2026.10.05

過去の自分と比べる健康管理:健診結果を「点」ではなく「線」で読み解く重要性

こんにちは、いりたに内科クリニックです。10月5日を迎え、秋風の心地よさとともに日々の生活リズムが整ってきた頃ですね。健診結果の「異常」をどう考えるかの第3回目は、数値の「変化の傾向(トレンド)」に注目する、とても大切なお話をお届けします。健診結果の冊子を受け取ったとき、多くの方は「今年の数値」だけを見て、基準値の内側に入っているかどうかを確認して終わりにしてしまいがちです。しかし、医学において本当に重要なのは、今年の単発の「点」としての数値ではなく、過去数年間のデータを繋げた「線」としての動きです。例えば、血圧や血糖値、コレステロールの数値が、基準値の範囲内にギリギリ収まっていたとします。今年の結果だけを見れば「異常なし」のA判定になりますが、もし過去3年間の結果を振り返ったときに、数値が毎年少しずつ右肩上がりに上昇しているとしたら、それは決して見過ごしてよい状態ではありません。基準値内であっても、あなたの身体の中では生活習慣病の芽が静かに、そして確実に育っているサインかもしれないからです。逆に、今年の数値が基準値を少しオーバーしてC判定になっていたとしても、過去のデータと比べて「毎年ずっと同じ数値で安定している」のであれば、それは病気の進行ではなく、その方の生まれ持った体質(個性の範囲内)である可能性が高くなります。このように、過去の自分という最高の比較対象と並べて初めて、その数値が持つ本当の医学的な意味が見えてくるのです。健診結果は、1年で捨ててしまうのではなく、ぜひ数年分を並べて「身体の歴史年表」のように眺めてみてください。基準値という一般的なものさしだけでなく、あなただけの「線の変化」を読み解くことこそが、本当の早期発見と予防医療に繋がります。去年の結果と見比べて気になる変化を見つけたときは、いつでもお気軽に当院までご相談ください。