2026.10.04

健診判定に一喜一憂しないための知恵

秋の夜長にじっくりと自身の健康と向き合う時間が増えてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。健診結果の「異常」をどう考えるかの第2回目は、健診で行われる検査の本当の目的についてお話しします。多くの方は、健康診断を「病気があるかないかを白黒ハッキリさせる場」だと思われているかもしれません。しかし医学的に見ると、健診の役割は「病気の診断」ではなく、あえて網の目を細かくして「少しでも怪しいものを見落とさないこと」にあります。これを専門用語で「スクリーニング(ふるいわけ)」と呼びます。もし、健診の網の目を本物の病気の人だけが引っかかるように粗くしてしまうと、初期の段階の病気や、これから病気に進行しそうな人を見逃してしまうリスクが高くなります。そのため、健診の判定はあえて厳しめに設定されており、少しでも病気の可能性や生活習慣の乱れが疑われる場合は、C判定(要再検査)やD判定(要精密検査)という形でアラートを出すようになっているのです。つまり、再検査や精密検査の通知が届いたとしても、それは「病気が確定した」という意味では決してありません。「いつもより網の目に引っかかりやすくなっているから、念のために専門の医療機関で詳しく調べてみましょう」という身体からの優しい注意喚起なのです。実際に、医療機関を受診して精密検査を行った結果、まったく問題がなかったり、単なる一時的な体調の変動だったりするケースは多々あります。健診の判定は、あなたを怖がらせるためのものではなく、未来の健康を守るためのフィルターです。C判定やD判定の通知が届いたときは、病気を恐れて放置するのではなく、まずは安心を買うための次のステップとして捉えてみてください。結果の受け止め方に迷ったときは、いつでもお気軽に当院までご相談ください。