2026.07.26

血圧を軽んじるものは・・・

外来で「急激に血圧が高くなったんです」と相談に来られる方は非常に多いです。でも急激にというのはどうも解せません。寒い日であればまだ理解できますが、この暑い日が続く中で・・・夏場は血管が拡張して血圧が下がりやすいのです。そのため、私の外来では家庭血圧(ご自宅で血圧測定をしていただき)をつけていただきながら血圧の上昇がないことを確認しながら降圧剤を減量したり、時には休薬します。また血圧が高くなってくる頃に増量または再開すれば良いのですから。でも、若い人ほど日常的に血圧を測る機会が少ないので、その実態や危険性についてはいまいちピンと来ないと思います。血圧は健康に密接に関わっているのですが、患者さんの中には高血圧を病気と思っていない方もおられます。ですが、”高血圧”は問診票にも書かなくてはいけない、れっきとした病気なのです。血圧は心臓が全身に血液を送り出す際に血管の壁に与える圧力のことです。血圧の仕組みについては、水道管やホースに例えるのですが、水を放出している時、ホースの先端をつまむと水が勢いを増します。その勢いが強すぎるのが血圧の高い状態、高血圧なのです。ホース=血管が弱っているところに激しく水が流れると、血管が傷つき、最悪の場合は破けてしまいます。こうなるとヤバい状況です。日本人の死因リスクの上位と言われているにも関わらず、高血圧は「サイレントキラー」とよばらるほど自覚症状がないままに進行するので、気付かぬうちに動脈硬化や脳卒中、心臓病、慢性腎臓病といった重大な病気やひいては突然死を招いてしまうのです。日本高血圧学会は昨年「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を発表し、年齢、病態、合併症に関わらず原則130/80mmHg未満を診察室血圧の降圧目標としなさいと決めました。ただし、めまい、ふらつき、立ちくらみ、倦怠感、失神などの症候性低血圧、起立性低血圧、急性腎障害、高カリウム血症などの電解質異常といった有害事象に注意しながら降圧を進めることとなりました。ちなみにおうちの血圧(家庭血圧)は125/75mmHg未満とするきまりです。血圧が上がる原因には、喫煙、飲酒、肥満、運動不足、ストレス、塩分の摂りすぎなどが挙げられます。ラーメンスープを飲まなかったり、醤油やソースをかけるのではなくつけたり、加工食品に含まれる隠れ塩分に気をつけることも塩分を控えるコツなので覚えておくと良いでしょう。