寒さは腎臓の敵?慢性腎臓病(CKD)と「冷え」の歴史に学ぶ、晩秋からの腎活のすすめ
10月23日頃に「霜降」を迎え、秋が深まり冬の足音が聞こえ始める時期となりました。朝晩の冷え込みが厳しくなると私たちは厚手のコートを準備しますが、実は私たちの体内にある「腎臓」もまた、この時期から本格的な「冬支度」を必要としています。東洋医学の古典『黄帝内経』の時代から冬は「腎」を養うべき季節とされてきました。古来、厳しい寒さは生命の源である「腎」のエネルギーを消耗させると考えられていたのです。これは現代医学の視点から見ても非常に理にかなっています。気温が下がると体温を逃がさないために血管が収縮し血圧が上昇します。腎臓は「毛細血管の塊」のような臓器であるため、血圧の変動や血流の悪化に極めて敏感です。歴史的に見ても冬場の脳卒中や心疾患の増加は記録されてきましたが、その背景には常に、血圧のフィルター役である腎臓への過酷な負担が隠れていました。かつて冬は食料が乏しい季節であり、人々は冬を越すために野菜や肉を大量の塩で漬け込み保存食を作りました。この「塩の歴史」は人類の生存を支えてきましたが、飽食の現代においては慢性腎臓病(CKD)を悪化させる一因となっています。特に寒くなってくると温かい鍋料理や汁物が恋しくなりますが、これらには多くの塩分が含まれています。腎機能が低下していると過剰な塩分と水分をうまく排出できず、さらなる血圧上昇を招くという悪循環に陥ります。先人たちが命を繋ぐために頼った「塩」との付き合い方を、現代の私たちは「減塩」という形でアップデートしなければなりません。慢性腎臓病は初期には自覚症状がほとんどありません。だからこそ、季節の変わり目という「体感の変化」をきっかけに、自分の内臓の声に耳を傾けることが大切です。「最近、夜中にトイレに起きるようになった」「足のむくみが取れにくい」といった小さなサインは、寒さによる一時的なものではなく、腎臓からのSOSかもしれません。かつて徳川家康などの歴史上の偉人たちも、長寿のために「冷え」を徹底的に忌み嫌い養生を欠かしませんでした。いりたに内科かかりつけクリニックでは、最新のエビデンスに基づきお一人おひとりに合わせた「腎保護」を提案しています。冬本番を迎える前に、一度ご自身の腎臓の状態をチェックしてみませんか?霜降の冷たい露が降りるこの季節。私はポンポンと散歩に出かける際も「三首」を温め血流を健やかに保つことから始めます。皆様が健やかな腎臓と共に黄金色の人生を走り続けられるよう、全力でサポートしてまいります。