減塩の知恵:かぶら寿しや加賀野菜と上手に付き合う健康術
金沢の街路樹が鮮やかに色づき、朝晩の冷え込みとともに冬の足音が近づいてきました。10月27日、この時期の金沢は「弁当忘れても傘忘れるな」の言葉通り、しっとりとした湿気と冷たさが混じり合う独特の季節を迎えます。店頭には、金沢が誇る冬の味覚「かぶら寿し」の準備や、甘みの増した「源助大根」などの加賀野菜が並び始め、食卓が豊かになる楽しみな季節です。しかし、美味しいものに溢れる金沢の冬こそ、私たちが少しだけ気をつけたいのが「塩分」との付き合い方です。歴史的に見ても、雪国である北陸の冬は保存食が重宝されてきました。かぶら寿しや麹漬けといった発酵食品は、厳しい冬を越すための先人の知恵が詰まった素晴らしい伝統食ですが、現代の慢性腎臓病(CKD)や高血圧の観点からは、塩分の摂りすぎに繋がりやすいという側面もあります。特に、金沢の冬の定番である「お鍋」は、出汁の旨味とともに塩分も多く摂取してしまいがちです。腎臓は血管の塊であり、塩分による血圧上昇の影響を最も受けやすい臓器です。寒さで血管が収縮するこの時期に塩分過多が重なると、腎臓への負担はさらに増してしまいます。そこで提案したいのが、金沢の豊かな食材を活かした「賢い減塩」です。例えば、源助大根の煮物には、醤油を減らして柚子の香りを効かせたり、お鍋の際はポン酢を「つける」のではなく「少し垂らす」程度にする工夫が効果的です。また、この時期に美味しい五郎島金時に含まれるカリウムは、余分な塩分を排出する手助けをしてくれます(※腎機能の数値によっては制限が必要な場合もありますので、主治医にご相談ください)。いりたに内科かかりつけクリニックでは、金沢の美味しい食文化をこれからも長く楽しんでいただくために、お一人おひとりの生活に合わせた健康管理を大切にしています。香林坊のイルミネーションや雪吊りの準備が始まるこの季節、心弾む冬を万全の体調で迎えるために、まずはご自身の血圧や腎機能を一度チェックしてみませんか。愛犬のポンポンと自宅周辺を散歩する際も、冷たい風から体を守る防寒を忘れずに。皆様の健やかな冬の食卓を、私たちが全力でサポートしてまいります。