2024.08.30
高血圧の診断基準
最近外来で「先生高血圧の基準変わったんですよね?」と尋ねられることがあります
実際は4月から変わったのです。しかも変わったのは診断基準ではなくて、未治療の
患者さんの受診勧奨基準なのです。
多くの方が誤解しているのは、協会けんぽ(全国健康保険協会)が定める、”未治療”の患者
さんの「血圧値に応じた医療機関の受診勧奨基準が基準が160/100mmHg以上」である点が
角に注目されたのではないかと考えられます。
なんとこの基準は平成25年から現在に至るまで、血圧値に応じた上記の勧奨基準に変わりないのです。
以前は140/90mmHg以上でした。そこからの引き上げが、今回の誤解に繋がったと考えられます。
令和6年4月から厚労省による「標準的な健診・保健指導プログラム」が一部改定されました。そこに
特定健診等の”未治療”の患者さんの「血圧値に応じた医療機関の受診勧奨基準」について、下記の通り
医療機関の受診を勧奨していますが、実は平成30年版と変わりないのです。
①上の血圧が160以上or下の血圧が100以上
→すぐに医療機関への受診勧奨
②上の血圧が140以上160未満or上の血圧が90以上100未満
→生活習慣を改善する努力を1ヶ月間した上で、”改善しない場合”は医療機関への受診勧奨
今回の誤解は①の「すぐに医療機関の受診をすべき」血圧基準が強調されたためと考えられます。
つまり診断基準も目標値も変わりありません。心配なのは今まで治療を受けていた患者さんが、
急に血圧の薬を中止あるいは減量し、これまで取り組んでいた減塩や運動を減らしていいですよ〜
と言う促しでは決してないのです。今まで通り、生活習慣病の改善に取り組んでいきましょうね。