長引く咳・止まらない咳
なぜ咳や痰がでるのか
咳は、吸い込んだ空気中のほこりや煙、風邪のウイルスなどの異物が体に入らないようにするための、体に備わった生体防御システムのひとつです。気道にあるセンサーが気道に異物などを感じると、その刺激が脳にある咳中枢に伝わり、異物を追い出すために咳が出ます。
痰(たん)の原因は、肺の分泌物や空気中の異物をからみ取った気道の粘液(分泌物)が溜まることで発生します。 通常、分泌物は気道の線毛の働きで、のどの方へ運ばれる間に吸収されたり、のどまで到達しても気づかないうちに飲み込まれたりするため、溜まることはありません。しかし風邪などによって気管支や肺に炎症が起きると、分泌物の量が増えて粘度が増し、線毛の動きも悪くなるため痰(たん)として溜まりやすくなります。そうして溜まった痰(たん)が、咳によって排出されるのです。
長引く咳・止まらないでお困りの方へ
咳は一般的な症状ですが、咳をするときには相当なエネルギーを必要とします。過度な咳は体力を消耗し、肋骨骨折を含む痛みや呼吸困難などの不快な症状を引き起こします。このような病的な咳は、早めに治療することが重要です。
咳が2週間以上長引く場合や止まらない場合は、状態が悪化する前に当院にお越しください。
咳が長引くときに必要な検査
胸部X線検査
長引く咳は肺炎、肺がん、間質性肺炎、肺結核、肺梗塞などの重篤な疾患の兆候かもしれません。これらの病気は早期発見と適切な治療が極めて重要です。そのため、咳が2週間以上続く場合は、胸部X線検査を受けてこれらの病気を確認し、必要な治療を行いましょう。
CT検査
胸部X線写真で胸部に異常影が見つかった場合は、CT検査を受けていただきます。
CT検査では、体を1-5mm間隔のスライスにして、100-200枚の断層写真を撮影しますので、1枚のX線写真と比較すると診断精度が格段に良くなります。
X線写真で指摘された影が、本当に肺の中にあるのか、ただの骨の重なりなのかを、CTで明らかにすることができます。現在、陰影の存在を診断する医療機器として、CTより優れたものはありません。
胸部X線写真で要精査と言われた場合は、迷わずCT検査を受けることをおすすめします。