健康診断で指摘された方へ

健康診断で指摘された方・要再検査の方へ

健康診断は”生活習慣病や”さまざまな病気を早期に発見・治療を始められるチャンスです!

~こんな場合はご相談ください~

☑健康診断で異常を指摘された/初めて引っかかった
☑健康診断は毎年受けているが、結果は気にしていない
☑”要経過観察”、”要検査”だったが、症状が無いため受診していない
☑健康診断を定期的に受けていない

※これらの項目に当てはまる場合、注意が必要です

健康診断の結果を管理し、健康を維持しましょう!

みなさまは、健康診断の結果を把握されていますでしょうか。

健康診断を受けていたとしても、

「再検査をするのが面倒だから」
「もし病気が見つかったらどうしよう…」
「今は症状が出ていないから大丈夫」
「忙しいから行く暇がない」
「数値の結果がよくわからない」

等と、健康診断を受けて異常値が出ても、放っておかれる方も少なくないようです。

健康診断はリスクの高い状態を見つけ出すことが目的のため、”要経過観察”、”要検査”となっても、症状がない場合も多くあります。また、精密検査の結果、問題のないケースもあります。

一方で、”病気の早期発見”につながったり、生活習慣の改善や”早期の治療”を行うことで、重大な合併症の予防に役立つことは少なくありません。
今は特に自覚症状がなかったとしても、身体の中で「がん」等の深刻な病気が進行している可能性があります。また、健康診断で指摘された異常に対応せずにいると、ある日急に「心筋梗塞」や「脳梗塞」といった病気を引き起こすリスクが高まります。

特に多いのが、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高尿酸血症です。
症状が無かったとしても、これらを早期から対処することは、将来的に負担が大きい治療を受けたり、深刻な合併症が突然起こって生活に支障が出るというようなリスクを減らすことができます。
そのため、”要経過観察”、”要検査”の場合には、まずは医療機関でしっかりとした検査を受けましょう。

当院では、健康診断で異常や要精密検査を指摘された場合の再検査はもちろん、結果に不安がある方、結果を詳しく知りたい方のご相談も受けておりますので、お気軽にご相談ください。

血糖値、ヘモグロビンA1c(HbA1c)

健康診断でこれらの値を指摘された場合、糖尿病または糖尿病予備群の可能性があります。
血糖値は血中のブドウ糖の濃度であり、毎日の食事・生活によって常に変動しています。HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は赤血球中のヘモグロビンという色素のうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値であり、過去1~2カ月間の血糖の状態が反映されます。健康診断では、主に「食事を摂取していない状態での血糖値」と、「慢性的に血糖値が高くないか」を示すHbA1cを測定しています。
糖尿病は、動脈硬化を進行させ、脳梗塞・心筋梗塞等を合併することがある生活習慣病です。また、網膜症、腎症、神経障害など、生活の質を著しく低下させる合併症にもつながる病気です。異常を指摘されたら、受診をしてすぐに治療を開始しましょう。

血圧

血圧が140/90mmHg以上(家庭血圧で135/85以上)の場合には、高血圧症と診断されます。

初期症状はわかりにくいため、健康診断などの数値はとても重要です。
血圧が高い状態であると、血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化や心臓肥大が進みます。初めは、自覚症状がなくても、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤などの循環器病につながる可能性があります。
これら高血圧症の合併症は、放っておくと危険な病気が多いため、血圧が高いと指摘されたら、高血圧症ではないかを調べるために受診し、早めの対処をしていきましょう。
初期の段階では必ずしも薬は必要ない場合もあり、食事、運動などの生活習慣の改善でも血圧を下げることが期待できます。

コレステロール(LDL・HDL)、中性脂肪(トリグリセリド)

これらが異常値を示す場合、脂質異常症(高脂血症)の可能性があります。

コレステロールには悪玉と善玉があります。悪玉のHDLコレステロールと中性脂肪は動脈硬化を引き起こしますが、善玉のHDLコレステロールは動脈硬化を防ぎます。
そのため、LDL(悪玉)や中性脂肪値が”高い”場合、または、HDL(善玉)が”低い”場合、動脈硬化、血管が詰まりやすくなります。
一般的に、LDL(悪玉)140mg/dl未満、中性脂肪値150mg/dl未満、HDL(善玉)40mg/dl以上が正常値とされています。
血中の脂質が高くても、自覚症状が乏しく放置されることもありますが、動脈硬化や血管の狭窄・閉塞が起こりやすくなるため、脳卒中や心筋梗塞につながるリスクがあります。そのため、異常を指摘されたら早めに当院にご相談下さい。

尿酸値(UA)

尿酸値が異常値を示す場合、高尿酸血症の可能性があります。

尿酸とは、食物全般に含まれる成分である”プリン体”が肝臓で分解されてできるものです(プリン体は体内でも生成されます)。
尿酸値が高いだけでは特に症状はありませんが、尿酸値が高い状態を放置していると、激痛を伴う痛風、痛風発作を起こす可能性が高まります。また、動脈硬化の進行につながったり、腎障害、尿路結石、心筋梗塞の発症リスクも上昇します。
痛風発作が起こっていなくても尿酸値のコントロールは非常に大切ですので、異常を指摘されたらお早めにご相談ください。

腎機能:クレアチニン(Cr)・尿素窒素(BUN)・推算糸球体ろ過量(eGFR)

これらが異常値を示す場合、慢性腎臓病慢性腎不全の可能性があります。もしくは、それらを発症しやすい状態です。

クレアチニンや尿素窒素は体内の老廃物であり、身体には不要な成分のため、尿として体外へ排出されます。これらの数値が高い場合は、尿を生成している腎臓の働きが弱くなっていると考えられます。
また、eGFR(推算糸球体ろ過量)は腎臓の働きを示す数値です。腎臓の中の糸球体が1分間にろ過している血液の量のことで、老廃物を尿へ排泄する能力を示します。eGFRの値は「年齢」「性別」「クレアチニン値」から計算され、この値が低いほど、腎臓の働きが弱くなっているということになります。
クレアチニン、尿素窒素、eGFR(推算糸球体ろ過量)の数値が異常値の場合は、自覚症状が乏しくとも、慢性腎臓病や慢性腎不全の可能性があります。腎機能は治療が難しく、腎不全になってしまった場合、生涯にわたって、透析治療を続けていく必要性が生じます。そのため、これらの数値に少しでも異常があったら、すぐに当院にご相談ください。

肝機能:ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP・アルブミン

これらが異常値を示す場合、肝臓の機能が低下している可能性があります。
肝臓は、エネルギーの貯蔵と放出などの様々な代謝や解毒・排泄など多彩な働きをする重要な臓器ですが、悪化しても、初めは自覚症状が乏しいことが特徴です。

肝臓の機能が弱っていると、ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP・アルブミンに異常値が出ます。
肝臓の機能の低下は、アルコール、ウイルス感染、肥満、コレステロール、服用中の薬の影響などが考えられます。
肝臓は病気になっても、自覚症状が出にくい臓器で、”沈黙の臓器”と言われています。何らかの症状が出た際には病気がかなり進行していることがあるため、初期段階で異常に気付くことができる健康診断はとても貴重な機会となります。
肝機能障害は早急な治療が必要なことも多く、できるだけ早く原因を突き止めて適切な治療を受けることが重要です。異常値が指摘された場合は、必ず精密検査を受けるようにしましょう。

膵機能:アミラーゼ、リパーゼ

これらの異常値を示す場合、膵臓の異常(膵炎など)が疑われます。

アミラーゼは、膵臓から分泌される糖類を分解する消化酵素です。リパーゼは、膵臓から分泌される脂肪を分解する消化酵素です。
これらが血液中に出てきてしまい、検査で異常値を示した場合には、膵臓の働きに異常が疑われます。膵炎などの膵臓の異常は、自覚症状が乏しく、見つけにくいのですが、進行すると命にかかわる危険性があります。そのため、異常を指摘された場合は、早めに当院にご相談ください。

心電図

心電図に異常があった場合、不整脈心筋梗塞狭心症などの虚血性心疾患、心筋症心肥大などの可能性があります。

心電図は、心臓の電気信号を波形として記録する検査です。この検査に異常があった場合には、心臓に関わる病気の可能性があります。また、測定時の記録のみのため、健康診断の心電図に異常がなくとも、心臓病がないとは言い切れません。
心臓病の場合、普段から息切れや胸周辺の痛みなどを認める場合があります。これらの症状を認め、心電図に異常がある場合には、できるだけ早急に精密検査をしましょう。
また、特に自覚症状がなくとも、精密検査で重大な病気が見つかることもあります。実際には精密検査の結果、問題がないことも多いため過度に心配する必要はありませんが、心電図に異常を認めた場合には、当院までご相談ください。