2024.09.19
尿検査って必要?
尿は体内での代謝の結果生じた老廃物が腎臓を通して水分と共に排泄されたものです。
尿検査は腎臓についての情報、体の代謝の状態や老廃物が蓄積していないか、老廃物の
排泄機能が低下していないかといった身体情報を得ることができます。
手足のむくみや痺れ、コレステロール値の上昇のような一見、腎臓とは無関係とも思える
症状の原因や診断のための手がかりが得られることもあります。
この尿検査は、体への侵襲がなく、安価であることが利点です。
尿検査は採尿をした時の一点での尿の評価となるので、病初期などでは異常所見が出にくいこと
がままあります。そのために時間をあけて再検したり、24時間尿を蓄尿して1日を通しての尿の状態を
みるといった精密検査も行う場合があります。
また、尿検査のみならず検査全般に言えますが、問診と診察に加えて血液検査での肝臓の状態や
心不全のマーカー(NT-proBNPなど)、腎機能を尿検査の蛋白尿の有無を見ることで多面的に評価を
行うことで正確な診断に至ると思っております。
一番困ることは、超高齢者、認知症患者さんなど採尿に困難を伴う場合は、検査の実施をしぶられると
省略しがちですが、尿蛋白、尿潜血、膿尿などは検尿only oneの検査なのです。
診療上、必要であることもご理解いただけましたら幸いです。