グルコサミンは膝の痛みを改善するのか?
ぐるぐるぐるぐるグルコサミン🎵で有名なあのサプリメント、最近めっきり聞かないなぁ
と思っていたら商品名が変わっていたのです。ロコモアダブルに!なるほど・・・
他社さんはグルコサミンで販売していました。そもそも、グルコサミンはなんで飲むの?
と思いながら飲んでいる方もおられるのではないでしょうか?
変形性膝関節症は、骨と骨の軟骨が弾力性を失い、すり減ってしまうことで膝関節の滑らかな動きが
失われ、痛みが出るというのが病気の本態です。だから、軟骨成分の元となるような栄養素を摂取
することで、軟骨が回復して膝の痛みが改善するのではないかと考えられているのです。
そのサプリメントの代表格がグルコサミン(軟骨に含まれる成分の原料)、コンドロイチン(その成分に
水分や弾力を与える働きがある)なのです。
果たして本当に効果的なのかが知りたいところですが、実は研究はなされているのです。
変形性膝関節症に苦しむ1,500人以上が参加したGAIT試験では、
①1日あたりグルコサミンを1500mg飲むグループ
②1日あたりコンドロイチンを1200mg飲むグループ
③①と②両者を飲むグループ
④痛み止めのセレコキシブという薬を飲むグループ
⑤偽薬(プラセボ)を飲むグループ の5グループにランダムに分けて24週間後に
痛みが減った人の人数を比較しました。④と⑤の間には差を認めました(効果があった)。
しかし、グルコの①、コンドの②、併用の③には偽薬⑤との差を認めません(効果がなかった)でした。
この研究からはコンドロイチン、グルコサミンおよび両者併用の変形性膝関節症への
効果は確認できませんでした。副作用もありませんでしたが。
このGAIT試験以外にも研究がなされており、25の研究データからグルコサミンが
膝関節の痛みを減らしたという結果も示されています。ですが、特定の企業の商品であり、
純粋なグルコサミンが用いられた研究では痛みを減らす効果は示されていませんでした。
つまり、企業商品に有利に働くようなバイアス(偏見、先入観)がかかっていたことも懸念されます。
現状科学的な根拠に乏しく、学会レベルでも摂取の推奨はなされていません。まずは科学的根拠のある
運動療法や、減量、塗り薬、貼り薬などの痛み止めを優先的に検討することが賢明かもしれません。