漢方薬には副作用がないのか?
漢方薬って〜自然のものからできているから〜副作用がないんでしょう?とお思いの方も
多いのではないでしょうか?いわゆる自然のもの=天然成分=生薬のことでしょう(と思います)
生薬とは植物・動物・鉱物などから薬効があるとされる部分を取り出して加工した医薬品のことです。
まず、前提条件として副作用リスクのない薬はないということです。クスリはリスクと上手いことを
言う人もいます。どんな薬にも、サプリメントにも必ず副作用のリスクがあるのです。
だからと言ってクスリは悪だ!と言いたいわけではないのです。
薬には普通の薬効を求めれば、副作用のリスクがある一方で、症状を抑えたり、病気を治療したりと
大きな益があるので薬として成立しているのです。そうでないとただの毒でしかありません。
だから薬をのむときには、副作用があるかどうかではなくて、薬を内服することによって得られる
益が街を上回るのかと言うことが重要なのです。この天秤にかけることで有益が街を上回れば使用すると
判断されるのです。話は戻りますが、漢方については甘草と言う生薬が問題になることが多いのです。
しかもこの甘草結構多くの漢方に含まれています。この甘草に含まれる成分の血圧を上げる作用のある
グリチルリチン(アルドステロンと呼ばれるホルモンと似た作用をもたらします)が、血圧を上昇させて
カリウム値を低下させてしまい、不整脈を起こしたり、筋肉に力が入らなくなったりします。
漢方薬の副作用が原因だと判らなければ、血圧の薬を追加しなくてはいけなかったりもします。
他にも、肝機能障害を引き起こしたり、間質性肺炎と呼ばれる肺の病気を引き起こす場合もあります。
つまり、生薬だから安全!で副作用がない!とはいえないのです。漢方薬も例がではなく、益と害を
必ず天秤にかけてその使用を判断しなくてはいけないのです。それが賢い患者さんかもしれません。