インフルエンザを考える①
インフルエンザも風邪もウイルスの病気だから一緒でしょ?鼻、喉、気管の症状が
風邪と同じだから、どうして一緒にしないでインフルエンザって呼ぶの?と思いませんか。
実は、インフルエンザは性質の悪いウイルスなので、通常の風邪とは分けて考えなくてはいけません。
インフルエンザはウイルスなので抗生物質は無効ですが、抗ウイルス薬のあるウイルスなのです。
インフルエンザは全身症状が強く出現するので、乳幼児や高齢者、妊婦、基礎疾患を持つ人が
インフルエンザに罹患すると命を落としてしまう可能性があります。
通常の風邪であれば3〜5日で治るのに、インフルエンザは10〜14日ほど治るのに時間を要します。
体力さえあれば免疫の力で自然に10〜14日間で治ってしまうのです。あくまで頑張ればですよ。
問題なのは感染力が強いので、流行すると地域の約4割の方が感染してしまうのです。だからこれからの
冬の風物詩のように学級閉鎖や学年閉鎖のようにあちこちで流行ってしまうのです。インフルエンザを
診断するのに大事なのは、①非常に体力を奪われてしまう上気道炎症状、②周囲にインフルエンザの人が
いたと言う病歴のこの2点が重要です。その病歴を踏まえて検査するのが、抗体検査なのです。
鼻から綿棒を入れてグリグリするやつです。インフルエンザ、もちろんコロナもそうなのですが、咽頭の
高後壁にウイルスが多く住んでいるので綿棒が奥に当たるまで入れないと正確な検査ではないのです。
ですが、この抗体検査も万能ではありません。約7〜9割の感度なので1〜3割の方は陰性になります。
陽性にならないと診断できないのか?違います。検査が陰性でも病歴が合致してインフルエンザが
怪しい状況であれば臨床的にインフルエンザと診断して良い時はあるのです。