2024.12.30

雪の花

「あ〜中島美嘉の曲だよね」ではありません。それは雪の華です。私のいうのは花です。

吉村昭氏の小説「雪の花」です。本屋さんで映画化されることを知りました。だいぶん前に

読んだ小説ですが、江戸時代末期に天然痘の予防法として牛痘を福井藩で広めた町医者である

笠原良策が私財を投げ打って生命をかけて種痘の苗を福井に持ち込むも、天然痘の膿を

身体に埋め込むことに恐怖心を抱き、さらには藩医の妨害もあってなかなか広まらない中

天然痘の撲滅に人生を捧げた話です。ネタバレになりますが、題名の雪というのがポイントで

京都から種痘を施した幼い子を連れて雪の峠を超えて福井に持ち込むといったまさに命懸けの

お話なのです。一度皆さんも映画(2025.1.25公開)か小説読んでください。

ところでこの天然痘(痘瘡とも言います)は天然痘ウイルスによる感染症でその存在は紀元前から

知られており、強い感染力、50%の高い死亡率、治癒しても体のあちこちに痘痕を残すことから

長い間人々に恐れられてきたのです。18世紀末に英国のジェンナーが天然痘の予防法を考えました。

ジェンナーは牛痘の滲出液を使用人の子供に接種して、1ヶ月後に天然痘患者の滲出液を接種しても

天然痘に罹らなかったことで予防法が確立しました。これが種痘法です。一度最近やウイルスが体内に

侵入すると後退ができるので2度目に侵入した抗原をやっつけてしまうということを利用したものです。

昔、自分の子供に接種したという伝記を読んだことがあったので、違ったのか〜と思いました。

1980年に世界保健機構(WHO)が天然痘根絶を宣言しましたが、米、露はウイルスを保管しており、

細菌兵器の使用に備えているとも言われています。今こそ『雪の花』を見てほしいものです。