血圧の話
今日で3回目の血圧の話ですが、もう少し続きがあります。
よく言われるのは「血圧130突破したらダメなんですか?」という素朴な疑問。
簡単なようで非常に難しい質問だと個人的には思います。
サン〇リーの胡麻〇茶のCMのおかげでかなり浸透しています。
年齢個人にもよりますが、ガイドライン(医者が診断治療をするうえで参考にする方針)には
多くの人は診察室では収縮期血圧が130~139mmHgまでが高血圧値、拡張期血圧が80~89mmHgが
高血圧値となっています。ですが、家庭血圧(ご自宅での測定)では同様に125~134mmHg、
75~84mmHgと低くなっております。普段の正確な血圧を認識するうえでも家庭血圧は重要です。
血圧で怖いことは①高いこと②下がりすぎていること③放置していることです。
①血圧が高いこと
血圧が高い状態が続くことは長期的にみて血圧が正常な人と比べて脳血管疾患の発症が高くなります。
きちんと適切に管理が行うことができれば、脳卒中で30~40%、心筋梗塞などの虚血性心疾患で20%、
全死亡で10~15%低くなることが知られています。
②血圧が低すぎる
先週発売の週刊現代にも取り上げられていましたが、降圧剤による治療が漫然と行われている状況で
過降圧(血圧が下がりすぎている)が認知症を引き起こしたり、死亡率を高くさせたりということが報告
されております。低いのが全てよいのではありません。
私自身の医学博士の論文も高血圧と要介護状態・フレイルとの関係を報告したものですが、
もちろん血圧が高いこともよくないのですが、下げすぎていることも介護状態を引き起こすという
ことです。これには2015年に報告されたSPRINT試験の結果が血圧は下げれば下げるほど良いと結論
づけられたのが、よくない方向に進んだのではないかと指摘さえておりますが、私個人的には、
患者さんと医者の間で関係性ができており、適切なコミュニケーションがとれていれば過降圧という事態は
回避できるのではないかと思います。ですから、家庭血圧をつけた血圧手帳を持参いただくことが大事
なのです。
③放置している。
病院に受診することが恐怖!と思われている方も多いと思います。まずは受診して相談してみてください
明日は対処方法について書いてみようと思います。