2025.06.12
眠らないと眠くなる
なぜ人は眠るのでしょうか?眠りの最大の役割は?睡眠科学最大の謎なのです。謎が解ければ、
効率よく眠る方法とか睡眠以外の代替手段で補う方法も見つかるかもしれません。でも、人の体は
謎だらけ。わからないことだらけなのです。それでも睡眠科学は急速に進歩しています。テレビでも
お馴染みの筑波大学の柳沢正史教授らのグループが我々にわかりやすく情報を提供してくれている
気がします。科学は全般的に仮説を立てて実証することで新たなことがわかります。現在わかって
いることとして、眠らないと健康を害して死んでしまうことです。実験で用いるラットは
眠りを奪うと2〜3週間で命を落としてしまいます。人間はなかなか倫理的に難しいのですが、
米国の高校生が行った自由研究が有名です。3日目で眠気と倦怠感を、4〜5日目で白昼夢を見たり
記憶障害が出現したり、攻撃性がアップしたりします。9〜11日目では記憶障害が悪化し、妄想・
幻覚が出現したというのです。なかなか気合の入った自由研究ですね。
でも、寝ないと死んでしまうのでこの高校生の自由研究はストップがかかりました。研究者立ち会い
もとの研究だったようです。断眠(睡眠に適した時間帯に眠ることができない状態)による死から
人間を守るのが「眠気」なのです。眠らずにいると脳に眠気物質が溜まっていきます。これが
一定以上になると起きていられなくなり、睡眠のスイッチが入ります。もう一つの仕掛けは、
体内時計です。眠気と体内時計の二つが眠りをもたらす「睡眠圧」を構成し、我々を眠りへ導くのです。
毎日眠っているのに、謎が多いのも面白いですね。でもよく寝た〜という日は幸せですよね。