体脂肪が増えてしまう!?
40代を過ぎると下半身の筋肉を中心として1年間で1%の割合で減っていくと言われています。
例えば現在の筋肉量が25㎏あったとして1%減で筋肉が250g減ることとなります。筋肉は
黙っていても1㎏につき1日13キロカロリーのエネルギーを消費するので、消費分が帳消しに
なれば体脂肪として蓄積されます。換算すると1年間で約170g脂肪が増えることになるのです。
2週間寝たきりですごすと筋肉は約15%減るとされていて、筋肉が25㎏としたら3.75㎏の筋肉量の減
となります。これを体脂肪に換算すると2週間で約100gの体脂肪が増えることになります。
つまり、動かずに寝て過ごすと無重力状態に近い状態で負荷がほとんどかからないのです。なんとも
恐ろしいですね。ヒトの基礎代謝のピークは17歳です。つまり私のような中年のオッサンが頑張っても
新陳代謝は下がり、活動量も低下します。若い時はちょこまか動いていても、歳を取るごとに無駄な
行動はせず、週末はひきこもってブログを書いたりします。そのため、活動によるエネルギー消費量が
落ちるとともに基礎代謝と筋肉が低下して、余ったエネルギーが体脂肪となって蓄えられるのです。
我々は肥満の状態をBMIだけではなく、体脂肪率でも見ていく必要があります。体脂肪率は、男性で
あれば20%未満、女性であれば30%未満を目指すことが目標となります。当院外来にも体組成計が
ありますので希望されれば測定いたします。是非お声かけくださいね。ここ最近の動向として、
脂肪細胞は死ぬまで増え続けることが分かっています。細胞には寿命があり、日々減ってはいるものの
同時に増えている可能性があるのです。肥満者の脂肪細胞はサイズが大きく、細胞分裂と増殖の
スピードが速いとされる可能性があります。今後明らかになっていくでしょう。