2025.07.02

クドア・セプテンプンクタータ

今日は呪文を皆さんにご披露!というわけではありません。

2000年代後半から注目された寄生虫のお話です。これは、原因不明で食事後数時間で発症する

一過性の下痢や嘔吐を伴う軽症の食中毒が複数地域で報告されました。その後、国立衛生研究所を

中心に国立感染症研究所所、大学、各地自体及び地方衛生研究所が協力して分析したところ、

共通の食品にヒラメの生食が多いことが分かりました。2010年には愛媛県で特定のヒラメを食べた

534人のうち113人が食中毒の症状を示す事例が発生したのです。この事例があって原因食品が

ヒラメが原因食品と決定され、クドア・セプテンプンクタータという寄生虫が食中毒の原因として

特定されたのです。ヒラメの筋肉にクドアは寄生するのですが、肉眼では分かりません。

ヒラメを生で食べると、食後2〜20時間で一返の嘔吐や下痢の症状が起きます。症状は比較的軽く

発症後大体24時間以内に自然回復し、後遺症や重症例、死亡例の報告はありません。

クドア食中毒んほとんどは、飲食店や旅館で発生しています。同じものを食べた家族や友人が

同じような症状を訴えることが多いので発覚しやすいのだと思います。対策は?ヒラメを食べない

ことですが、クドアはマイナス20℃で4時間以上の冷凍、中心温度で75℃で5分以上または

80℃10秒の加熱で死んでしまいます。寿司や刺身で食べる時には一旦ヒラメを冷凍して解凍してから

食べることになるのです。実際、クドアによる食中毒は減少傾向にあるようです。でも、2023年

では200名以上の食中毒患者が出ており、無視することができない1年中注意が必要な食中毒です。