健康診断の結果が問題ないなら…
皆さんがよく口にする「血液がキレイ」というのはどういう状態だと思いますか?
血管が傷ついて出血するとその傷ついた穴に血小板が集まってきて止血しようとします。さらに、
フィブリンという成分が赤血球も巻き込んで血栓を作って出血を止めようとします。
この働きを凝固系といいます。固まったままだと血流が流れなくなるので、血栓を溶かして正常の
血流に戻します。この働きを線溶系といいます。健康な人はこの凝固系と線溶系のバランスが
保たれているのです。さまざまな原因で専用系のバランスが低下して、血液が固まりやすくなると、
心筋梗塞や脳梗塞などの病気につながってしまいます。皆さんが気をつけている血圧や血糖値、
コレステロール値が高くなると、調整に関わる血管内皮細胞の機能が低下して、血液がドロドロに
なってしまうのです。では、すべての値が正常である場合は、血液のサラサラは大丈夫なのでしょうか?
2013年の日本人を対象とした研究で血管内皮細胞の機能、血圧、血糖値、コレステロールなどを調べた
データによると、血管内皮細胞の機能が低下しているグループでは、高血圧の人が25%、糖尿病の人は
10%、脂質以上の人は50%いました。つまり、20%以上の人は高血圧も糖尿病も脂質異常症もない人
なのです。では、何もないのに血管内皮細胞の機能が低いのはなぜなのでしょうか?
それは、メタボリックシンドロームだからでしょう。
男性腹囲が85cm以上、女性腹囲90cm以上であり次の3つのうち2つ以上に当てはまる人。
・中性脂肪が高いあるいは、HDL(善玉)コレステロールが低い
・血圧が130/85mmHg以上
・空腹時の高血糖 です。 皆さんはいかがでしょうか?
内臓脂肪の量が増えるほど、物質の血液中の濃度は高くなります。これがメタボだと血液がドロドロ
になる原因の一つだと言えるのです、今回のすこやか健診でメタボの基準も気にしてみては?