2025.08.08

ワシントン大統領の入れ歯

初代米国の大統領といえば桜の木で有名なジョージ・ワシントンです。彼の肖像が1ドル札に

描かれているのでチャンスがあればじっくりとみてください。よく見ると唇を一直線に結んで、

いかにも気難しい表情をしているのです。1ドル札のほかにも伝記や、切手、コイン、絵画などに

登場するワシントンの肖像は、どれも口許をキツく引き締めた厳しい表情をしているのです。

ワシントンは若い時から齲歯(虫歯)に悩まされていて、伝記によると歯磨きを励行していたにも

関わらず、22歳ごろkら次々に歯を失って、28歳ごろには部分義歯を使っていました。大事な

独立戦争の時も歯痛や義歯の不具合に悩まされて、いつも不機嫌だったようです。

50代で全ての歯を失い、ニューヨークの高明な司会に総入れ歯を受注したのですが、大鹿の牙を削り、

人工の歯を鉛合金製の歯床に埋めた1kgもする巨大な代物で、コイルスプリングで連結されて

いるので義歯が飛び出さないように常に顎を噛み締めていなくてはならなかったのです。当時の

最新技術でもこのような状況ですから、たまったもんではありませんね。ワシントンは、食事中に

ナイフとフォークでテーブルを小刻みに叩く癖があったようですが、食事が思うように摂れない

ことからくる苛立ちだったと言われています。

ワシントンが初代大統領になった翌年、英国から事業家のモルガンが会見した時、入れ歯の不具合と

顎関節や口腔粘膜にかかる負担によって苦しめられ、しかめ面をしている記述を残している。

ワシントンは圧倒的な支持があったにも関わらず、3期目の大統領候補を辞退しました。それ以来、

合衆国大統領の任期は2期8年を超えないというルールが出来上がったのです。

ただし、第二次世界大戦中ルーズベルト大統領が4戦された例外はありました。

入れ歯が原因で大統領の3選禁止になったのは、ユーモラスで、かつての良きアメリカを彷彿とさせます。