健康寿命の決め手はリンと腎臓
動物の寿命は体の大きさで決まると思われていましたが、巨大な象よりも人の方が長生きなのです。
血中のリンの濃度を測定すると、リンの濃度が低い動物ほど寿命が長いことがわかります。
つまり、体内にリンを溜めずに排出できる能力が高いほど長生きなのです。リン濃度と生きる年数は
綺麗な相関をしています。自治医科大学の黒尾教授は「クロトー遺伝子」を発見したのですが、
そのクロトー遺伝子が発現していないマウスは、老化の進行が異常に早いのです。普通のマウスの
1/12しか生きられないのです。このクロトー遺伝子は腎臓がリンを排出するために必要な受容体に
関わっているので、この遺伝子が働いていないということは、腎臓がリンを排出できずに体内に溜めて
しまい、老化が異様に加速して早死にしてしまうのです。このように寿命を縮めるリン。
丈夫な骨を作る上では必要な物質でもあります。ですが、食事で摂りすぎたり、うまく排出できずに
体内で溜め込んでしまうと、トラブル、病気の発症、老化を引き起こしてしまうのです。
リンを避けることは難しいですし現実的ではありません。普通の食事にも多く含まれているからです。
特に多いのは、加工肉、練り物、カップ麺、ファストフード、スナック菓子に多く含まれる無機リン。
食べ過ぎに注意すべきなのは、肉類、牛乳、チーズ、卵に含まれる有機リンです。食べてもいいのは
納豆、豆腐、豆乳、油揚げ、大豆ミートなどの有機リンです。血中のリン濃度と腎機能の低下は
反比例すると言われているので、尿と血液中のリン濃度を上げないように上記の食べ物のとりすぎに
注意すべきでしょう。
そもそもリンは人体に必要なミネラルの一つであるのですが、体内の85%は骨や歯に存在しています。
残りは細胞内で細胞のpHバランスを保つなどの、体内でさまざまな働きをしているのです。
ちなみに、ポンポンの本名はリンちゃんです。全然関係ないけど。