5秒間!

6月頃娘が流行にのってひどい咳が続いた日がありました。あまりにひどいので感染が怖くて自宅に
帰らず、しばらくクリニックに寝泊まりしていました。実はその2週間前もシュンシュンが咳嗽で…
そうだ!娘もマイコプラズマになっているかもと思い抗菌薬を内服させていますが、なかなか効果的
ではないのです。妻には「私このまま死んじゃうの?」と高校2年生が聞くのでびっくりしたようです。
今年の咳嗽を伴う感染症はとにかくしつこい印象です。薬を多剤出さなくてはいけないので、なんだか
センス悪い医者に思われるのではないかと心配しています。最小限のお薬で最大限の効果を発揮させる
ことに生きがいを感じ、自分自身ではそれがアートだと思っています。訳の分からん薬を飲まされ
て幸せな人はいません。ところで、咳嗽で特に感染性咳嗽、咳喘息の際には吸入薬を処方します。
当院で吸入薬を処方された人もきっといると思います。吸入の指導は薬剤師さんにお任せしています。
私がやるとすれば、こんな感じです。
まず、吸入薬を吸います。そのあと、大きく吸った空気を5秒間止めるのです。1,2,3,4,5!
そして吐きます。この流れが非常に大事なのです。以外にも息を止めなくてはいけないことを知らない
医療従事者は多いのです。当院スタッフは全員知っています(はずです)。吸った後にすぐにハ~と、
吐いている人も結構います。すぐに吐いてしまっては、肺の中に効果的に吸入薬の成分が浸透しません。
ちなみに吸入薬を吸った後に4秒間、10秒間、20秒間の域と眼をした場合の気管支拡張効果を比較
した検討では、10秒間の息止めは4秒間と比較して気管支拡張作用が2倍になったそうです。そして
10秒間と20秒間の息止めには差はありませんでした。じゃ10秒がベストじゃないですか!となるの
ですが、呼吸器疾患がある中で10秒間の息止めはなかなかしんどいものがあると思います。多くの販売
元は3~5秒間の息止めを推奨しているようです。中には苦しくない程度!としている患者さんにやさしい
記述をしている会社もあるのです。でも是非!5秒間の息こらえをしてください。といいつつも、
私が処方しているタービュヘイラ―(シムビコート)は息止めが不要です。パルミコート、オーキシスも
息止めが不要とされており、それ以外の吸入薬は大体息止めが必要なのです。