働く人の不調

私は一応、産業医の資格を持っているので、今でも産業医のお仕事をしています。いきなり脱線
しますが、産業医って何?医者なの?とあまり認知されていない方もおられるのではないかと
思います。答えは医者です。ただ、産業医は資格自体はすぐに取れるので、苦労しないで取れる
医師の資格のNo1とも言えるでしょう(座って講義を聞いゲットできる資格のですから)。
だから、その産業医がどこで修行したのか?そして実際産業医業務をしているのか?ということが
非常に重要になります。なんちゃって産業医が多いのも事実だからです。
めちゃくちゃ真剣に産業衛生業務をやられている産業医の先生たちに失礼なのです。
基本的には会社・企業で働いている方の健康面・メンタル不調などの状態に関しての相談を受けて、
会社で長く健康で働くことをサポートする立場が産業医であると考えています。もちろん、講義を
受けただけでは身になりません。私は以前に某企業の福井県工場の産業医をさせていただいた
経験が非常に生きております。どこの会社であっても働く人に増えているのはメンタル不調です。
しかもそのほとんどは「適応障害」と考えられます。適応障害というのは、生活の中で何らかの
外的ストレスがあって、3〜6ヶ月たっても慣れることができず、日常生活に支障をきたすほどの
心身症状が出る病気なのです。この適応障害の特徴の一つはストレスの原因が明確であることです。
その原因として、職場の人間関係、過重労働、仕事のミスマッチなどが考えられます。また、
なりやすい人の特徴として、ギリギリまで頑張ろうとする方、特に責任感が強くて真面目な方、
周囲の人に相談をしたり助けを求めたりするのが苦手で、一人で抱え込んでしまい、自分のキャパを
オーバーしてしまい、心のバランスを崩してしまい、適応障害となってしまいがちです。
①食事が取れない ②眠れない ③気分転換ができる ④土日はしっかり休める この4点が、
非常に大事なPointだと思います。結局は、ストレスの源から離れることが治療になるので、休めば
いいのです。でも真面目な人たちは、休むという選択肢を取ることに勇気がいるのです。
体調を整えるために休むことは「権利」であり、企業にとっては従業員の健康を守るため休ませる
ことは「義務」なのです。多くの会社は就業規則にあるのではないかと思います。企業は、きちんと
従業員を休ませて心身の健康と安全を守るために配慮しなければいけない「安全配慮義務」が法律で
課されているのです。会社と従業員はその権利と義務を忘れがちですよね?