2025.09.18

Let it be

皆さんは「森田療法」という治療をきいたことがありますか?この治療方法は1919年に東京慈恵会

医科大学の精神科教授であった森田正馬博士に考案された不安神経症の治療方法なのです。不安神経症

は、わかりやすくいうとノイローゼと言われるもので電車通勤しているサラリーマンが突然、動機、

息切れ、めまいなどの症状を自覚して、次の駅で下車することとなり、翌日また同じ発作が起きる

のではないかと不安になって通勤できなくなったり、奥さんに付き添われて通勤したりと社会生活が

送れなくなる病気です。閉所恐怖症や高所恐怖症も同様です。森田博士は、自分自身が神経症に悩んだ

経験からこの治療法を考えたとされています。基本的な治療の考え方は仏教の禅宗に影響されていると

考えられています。この基本治療方針は「あるがままに」という言葉で表されます。

「すべての欲を捨てなさい。辛くても苦しくても日々しなければならないことをやりなさい。あるが

ままに生きなさい。こんなに努力しているのだから良くなるはずだという考えは欲であるから

捨てなさい。そうしているといずれ不安症状から解放された自分を見出すでしょう」と簡単に

まとめるとこんな感じです。日本で考え出された治療法ですが、現在は国際学会も行われています。

あるがままには、英語で言うとLet it beでしょうか?ビートルズの歌にもありますが、ジョン・レノンは

仏教に関心があったようです。森田博士は入院治療を主として薬物療法はしないことが原則だった

ようですが、最近は外来治療も薬物も使用されています。