帯状疱疹ワクチン
昔の暮らしでは、水ぼうそうにかかった子供が身近にいて、少しのウイルスをもらうことで
免疫が自然と追加される機会(ブースター効果)がありましたが、
少子化(そもそもウイルスをもらう機会が減った)と水痘ワクチンの定期接種化によって
免疫を強化する機会が減ってしまっているのです。健康な人でも50歳を過ぎると免疫力が
低下してしまい、高齢者に多く発症してしまうのです。80歳までに3人に1人がかかるという
データも存在します。一生に一度だけしかならないわけではなく、若年層であっても
免疫力が低下して何度も帯状疱疹にかかる例も散見されるようになっています。
帯状疱疹になりたくない方がほとんどだと思います。
これまでは水ぼうそうを予防する乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)しかありませんでした。
2023年から予防効果が高い乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)が出てきました。
上記2種類のメリット、デメリットを紹介したします。
生ワクチンは、1回の接種で5年間50%の予防効果で、副反応はほとんどなく、安価(約8,000円)で
あるのに対して、不活化ワクチンは2回の接種が必要で9年以上、90%以上の予防効果が認められています。
ですが、副反応の発現率が高いことと1回約25,000円で2回の接種が必要です。
当院外来でも、一度帯状疱疹に罹患した患者さんは、「値段が高くてもあの痛みは、二度と味わいたくない!」
とのことで予防効果の高い不活化ワクチンをほぼ100%選択されます。
50代で健康な人であれば、まず生ワクチンを接種してから60代になって自治体の助成を利用して不活化ワクチン
を摂取するチョイスも良いのではないかと個人的には考えます。
どちらのワクチンも自治体の公費助成がある場合もありますのでご相談ください。