親子水入らず…
「おやこみずいらず」という言葉を使いますが、水入らずという字を使うことを知りました。
親と子の間に水(邪魔)が入る余地もないくらい親睦を深めてね~ということなのでしょうか。
水の存在は時に貴重であり、時に災害級の雨になりとせわしない存在ですね。私は、外来をしていると
今年の夏も暑かったので、水を飲んでいますか?といつもあいさつ代わりに患者さんに訊ねていました。
この水、と言っても水道水の話ですがそのまま飲まなくなってからもうかなりの年数がたちます。
今では、水道の水はまずくて飲めないものだと勝手に決めつけてしまっている向きがなきにしもあらず
です。塩素臭が強くて・・・とか、鉛を含むいくつかの有害物質が微量なんだけれど含まれているらしい
という情報がまことしやかに伝わってくると、真偽の程が明らかになるまで、できるだけ飲まないように
した方が良いと思ってしまいます。金沢のお水は美味しいと言われていますが、大阪に住んでからそんな
習慣が身についてしまいました。普段はお茶を飲んだり、自宅ではウォーターサーバーの水を頂きます。
出先などではついついミネラルウォーターなる飲料水を買ってしまいます。このペットボトル入りの
ミネラルウォーターが同じ量のガソリンより高いことを知ったときはある意味ショックでした。
レギュラーガソリンは1Lあたり174円位で、エビアン500mlは128円なのです。つまり1Lであれば
256円でガソリンを飲んだ方が安いのです。え~~と思いませんか?もちろんガソリンは飲みません。
以前、ドイツの研究グループが自律神経失調症に伴う起立性低血圧の患者と正常高齢者を対象に飲水と
血圧との関係について調査をしたところ飲水は、起立性低血圧患者にも、高齢者に対しても、飲水は
交感神経活性を急速に亢進させて、収縮期血圧を起立性低血圧患者で30mmHg、高齢者で10mmHgも
上昇させることを明らかにしました。しかも血圧上昇効果は1時間以上にも及び、1回の飲水が240ml
より480mlと多めに飲水した方がの方が効果的でした。面白いことに冷たい水と温かい水でも血圧
を上昇させる効果に差異はありませんでした。
そういえば、外来通院中の84歳になる男性の患者さんは血圧変動が激しく、外出先ではしばしば
起立性低血圧による脳貧血(血圧低下が原因の現象)を起こしていたようです。あまりにも困っていた
ので、アドバイスとして「出かける前にコップ1杯の水を飲む」ように勧めたところ、
脳貧血状態になることが少なくなったとのことでした。低血圧の予防と治療にコップ1杯の水が効果的
であることはあまり知られていないのです。ミネラルウォーターでなくてもいいのです。
「地元の美味しいお水」を飲んで生活しましょう!