不老不死の薬を追い求めて
今年の2月にも実は不老不死のお話をブログで紹介させていただきました。そんなん・・・
って思っている方が多いのではないでしょうか。令和の世だからそう思うのです。昔の人は
真剣に追い求めていたんですよ〜古代ギリシャでは「ネクター」という神々の飲み物があって、
古代インドでは「アムリタ」という飲み物が不老不死を約束したことになっています。日本でも
古事記に「トキジクノカク」という木の実を食べると不死になると書かれていると言います。
これらの薬(食材)は今となっては処方が不明なのです。しかも実在したのかも怪しいのです。
それに対して中国の仙薬は、皇帝の何人かは不老不死の薬と信じて飲んでいたのです。この仙薬
水銀のことなのです。表面張力が大きい金属で、モノの上ではギンギラギンの小さな球になり
一時も休まずコロコロと動き回ります。それが生きているように見えて中国では水銀に命があると
考えたのです。水銀を加熱して400℃ほどになると黒い個体の酸化水銀になりますが、さらに加熱
して500℃ほどにすると分解して元の水銀になり、輝きを放って動き回るようになるのです。
つまり水銀が蘇ったのです。「水銀こそは火の中から甦る不死鳥である」と中国の方は信じたのです。
でも、この水銀は公害の水俣病の原因となった物質です。皇帝の皮膚は土気色になり、声はしわがれて
神経を侵されて無闇に怒りっぽくなるといった症状が出たはずです。この仙薬(水銀)のレシピは
後醍醐天皇所蔵の文書中から発見されました。そのレシピを復活させようと研究機関に持ち込むと
大変な爆発物になるとのことでした。硝酸塩が含まれているのです。後醍醐天皇は鎌倉幕府と覇を
争って最後は京都から吉野に追いやられ南朝を立てて復活しようと炎をメラメラと燃やした人です。
おそらくはこのレシピの薬を口にはしていなかったと思うのですが、毛髪が残っていたら水銀を
口にしていたかは分かりますね。う〜〜ん歴史のミステリー・・・