鼻毛の効用
鼻毛・・・時に鏡を見てびっくりするアイテムの一つですが、この鼻毛を政治にうまく利用した
人を知っていますか?金沢検定を受けたことがある人は、必ず知っています(と思います)。
加賀藩三代藩主の前田利常公です。利家の四男で越中守山城代の前田長種のもとで養育されます。
実父の利家と初めて対面したのは慶長3年(1598)の6歳の時。利家が他界する前年ですが、その際に
利常を非常に気に入り大小の刀を与えたというのです。利家は彼に何を見たのでしょうか?
面白い逸話として有名なのは、鼻毛を伸ばしたこと。家臣の本多安房守が気にして、鏡を近習に
渡しますが効果なく、横山左衛門佐は毛抜きを献上します。すると利常は老臣以下を集め、
「鼻毛の伸びた者をうつけ者と呼ぶことぐらい、わしも心得ている。しかし加賀百万石の大大名たる
わしが、もし利口面を鼻先に表わせば、大いに警戒されるであろう。うつけぶりを示してこそ、
三カ国(加賀、能登、越中)は安泰で、皆安心して暮らせるのだ」と語りました。すごい計算です!
この鼻毛、抜いた後にバイ菌が入って化膿する事があります。鼻毛は汚い、見苦しいと言って、
邪魔者扱いされますが、とんでもない了見違いなのです。決して無用の長物ではなく、立派な役割を
担っているのです。外気のゴミをそのまま気管や肺に行かないようにフィルターの役割をするのです。
その上冷たい空気が直接、気管や肺へ到達しないように鼻から入った空気を吸っても鼻の中を通って、
期間のところに来るまでには、体温に近いおよそ35℃ぐらいになっているそうなのです。すごい!
鼻毛は冷たい空気が一気に入ってくるのを防いでいるわけなのです。ここ最近私の鼻毛も白いものが
混じるようになりました。髭も白くなっているので当たり前なのですが・・・
それにしても、利常公は父親譲りの傾奇者だったのでしょうかね