キャリー・マリス博士
「マリス博士の奇想天外な人生」という書籍をご存知な方はおられますか?この書籍自伝なのですが、キャリー・パミュパミュなら知っているけれど・・・という方の方が多いでしょう。でも、彼(マリス博士)は誰もが知っているPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を発明した本人なのです。PCRはコロナの診断の際に一躍皆さんに知れ渡った手技の一つではないかと思います。もちろん、TVドラマの法医学などでもPCR法は出てきますし、遺伝子組み換え作物、食品検査、ワインの鑑定などにも様々に利用されているのです。遺伝子であるDNAは、2本鎖であり螺旋状になっています。熱処理をすることで2本鎖のDNAを1本鎖にして酵素でその物自体を伸ばしてプライマー(短いDNA断片)という対になる2本鎖を作る合成反応のきっかけ(起点)をくっつけることで1回の反応で2倍、2回繰り返せば4倍、3回繰り返せば8倍と目的のDNAを膨大に増やす事ができるのです。このDNAを簡単に増やせる方法を実は、彼はガールフレンドとのドライブ中に閃くのです。自他ともに認める女性好き、そしてサーファー、LSDやマリファナをやっていましたと公言してしまう正直な人間であり、生化学の分野を職業に選んだのは星占いに従ったそうです。ちょっとこのブログには書けないけれど、かなりぶっ飛んだおじさまです。マリスの考えたPCR法は当初、彼の所属するシータス社では理解されませんでした。ですが、検証が進むにつれて大変な発明である事が明らかになっっていきました。方法が大変シンプルかつ簡単であるために、発明から約40年経過した今もなお、PCR法は遺伝子工学の最前線で活躍しているのです。DNA合成についての知識や経験がないままに数年でPCR法を開発したマリス。奇想天外な発想と笑われても気にせず、自分の興味に打ち込むことが時に幸福をもたらします。マリス博士はCOVID19が流行する前に74歳で亡くなられました。面白い本です。ぜひご一読を!