2026.01.13

あっ懐かしい匂いがする…

ある匂いをかいで、昔お付き合いしていた女性(男性)のことを思い出したり、友達と遊んだことを思い出して、つい懐かしい気持ちになってしまった。そんな気分になったことはありませんか?でも、なぜ我々は匂いと過去の記憶とを結びつけてしまって覚えているのでしょうか?我々が感じる匂いは、嗅内皮質で感じます。嗅内皮質は脳の側頭葉の海馬と接しているために匂いと記憶を同時に認知することができるのです。因みに、皆さんご存じのアルツハイマー型認知症では、空間の記憶のみならず、何の匂いなのかがわからなくなる、「匂いの記憶障害」があることがわかっています。記憶に深いつながりがある嗅内皮質が一躍かっているのです。焼かれた鳥やウナギの匂いを嗅ぐと焼き鳥やウナギの味を思い出した経験がある人も少なくなと思います。これは嗅内皮質の扇状細胞がドーパミンにより活性化して匂いと味覚を結び付けているのです。この時、おいしいものの良い匂いとまずいものの嫌な匂いもかぎ分けて記憶しているのです。ドーパミンは脳の色々な部位で活躍しているのですが、興味深い報告がカリフォルニア大学の五十嵐啓博士からNatureにされております。嗅内皮質でのドーパミンの放出が新たな匂いの記憶形成に大きく関与しているというのです。これはアルツハイマー型認知症の初期症状とよく似ているので、ドーパミンが匂いの記憶に大きく関与していることは明らかなようです。面白いですね。