2026.01.30

貧血について

昨日の胃がんの話題を受けて・・・と言うわけでもないのですが、以前健診の結果で貧血の精査を勧められて当院を受診した方がおられました。精査の結果は鉄が不足する鉄欠乏性貧血だったのです。それでは治療をしようと言うことで、鉄剤の内服が開始となりました。ですが、翌月の血液検査でも改善傾向にはなくむしろ悪化しているのです。そのような場合は悪性腫瘍などの存在を考慮して精査を進めるのが鉄則です。案の定、大腸がんが見つかり手術を受けていただいたと言う事例も経験しております。多くの人は貧血と聞くと、Hb:ヘモグロビンや赤血球の数値が気になるのではないでしょうか?確かにそれらも重要です。ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤色の色素タンパク質のことで、鉄(ヘム)とタンパク質(グロビン)が結びついたものです。ヘモグロビンの量はもちろん重要なのですが、同じくらい重要なのは質です。それが、MCV,MCH,MCHCなのです。MCVは赤血球の平均の容積で、MCVが小さければ赤血球が小さくなっていることを示しています。逆に大きくなっている場合は、ビタミンB12や葉酸が不足していると考え巨赤芽球性貧血と呼ばれる状態になっているのです。つまりMCVが異常値になっていれば、貧血の予備軍になっている可能性があります。MCHは赤血球の重さであり、MCHCは赤血球の色の濃さと考えても良いでしょう。MCV↓、MCH↓、MCHC↓の場合は鉄欠乏性貧血を考慮。MCV↑、MCH↑、MCHC正常は、巨赤芽球性貧血を考慮。MCV ,MCH ,MCHCいずれも正常な場合は、再生不良性貧血や溶血性貧血を疑います。これらの数値を組み合わせることで自分の水分状態や栄養状態、さらには貧血のリスクも知ることができるのです。しっかり読み込むと奥深い貧血の話題でした。健診後の要再検査や要治療はお気軽にお尋ね下さい。今は鉄剤が気持ち悪くて内服できない場合でも点滴加療を選択することができます。お待ちしていまーす。