2026.02.11

やせ我慢!?

『春よ、来い』と言えばユーミンの曲を思い出すかもしれません。私はどちらかというと🎵春よこい、早く来い、歩き始めたみよちゃんが🎵と童謡を思い浮かべてしまいます。厳しい寒さの中で暖かい春を待っている子供の気持ちをほのぼのと伝えている歌だと思います。ですが、本当のところ、春の訪れを待っているのは子供ではなく高齢者ではないだろうかと思うのです。クリニックの周りでもかなりのご年配に見える男性が、はあ、はあと白い息を吐きながらジョギングしているのです。当院通院中ではないので詳細不明ですが、恐らくはジョギング中の辛さ、苦しさを乗り越えることで、快感と満足感を覚えているのだと思います。精神面にはプラスに働きますが、体特に心臓にはかなりのマイナスです。早朝は就寝中からの副交感神経優位から交感神経優位へ切り替わる時間帯であって、実はこの早朝の時間帯が1日のうちで、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの発症リスクが最も高いのです。これは交感神経が高まると血圧が上昇し、心拍数が増加し、血管内で血液が固まりやすくなるからです。早朝のジョギング中に亡くなった著名人もおられており、その危険性については小耳に挟んだことはあると思います。でも、そのようなことは自分には起きようがないと考えている人が少なくないのではないでしょうか。1日の平均気温が1℃以下になると、その後28日以内、特に2日から2週間後の間に心筋梗塞リスクが2%上昇することが英国のBritish Medical Journalに報告された事があります。この時期になるとTVで寒中水泳のニュースが取り上げられて、子供は身震いして筋肉を痙攣させ、熱を産生させているのに対して、高齢者の方は震える事なくインタビューに答えているのです。実はガタガタ震えている子供の方が生理的には正常であって、全く震えのない高齢者の体の方が異常で、危険なサインであることも明らかであります。寒中水泳中に高齢者が突然死した記事も見かけた事がありますが、死因は冷水に体をつけたことによる交感神経の興奮で重篤な不整脈が発生した心臓麻痺か、血圧の上昇により生じた心筋梗塞か脳卒中だと考えられます。まさに年寄りの冷や水が招いた悲劇なのです。やせ我慢なら命は奪われませんが、命をかけてやるべき事を選択すべきであると思います。