2024.03.23

尿路結石とともに痛い病気

もっとも痛い病気の部類に入り、大人ものたうち回ってしまう病気が痛風です。

死んでしまうことはないけれど、のたうち回る余力を残す病気と言えます。

痛風になってしまう状態を高尿酸血症と言いますが、尿酸値が高くて・・・と

相談に来られる方はまずいません。大体の方が、関節の腫脹と発赤と痛みで

受診されます。そしてお薬で改善すれば来ることがなくなってしまうことが多いようにも

感じております。高尿酸血症については1月に帝王病の件で記載しましたので、

本日は高尿酸血症の恐ろしい一面をお伝え出来たらなと思います。

痛風発作が起きているということは、関節に尿酸の結晶ができているということであって、

ほかの臓器でも結晶化が進んでいるとも言えます。

血液検査の数値でも腎臓に影響をきたすことになれば、腎機能は徐々に低下し、痛風腎と

呼ばれるものになります。また細胞に尿酸がある状態であれば、活性酸素とよばれる成分が、

動脈硬化を引き起こし心筋梗塞などのリスクを高めることになります。

つまり、関節の痛みが・・・と関節だけに集中が向いていてはいけないということです。

全身の細胞・臓器の悲鳴も聞かなくてはいけない状況にあるということを自覚していなくては

なりません。

いろいろな医師の意見はありますし、海外の治療方針も見ているとやや尿酸値が高いだけでは治療はせず、

薬物の副作用を避けるために経過を見ていくこともあるようですが、実は、尿管結石や痛風発作が

複数回起きている状況であれば、痛風や尿管結石は投薬すべきサインを送っているも同然です。

具体的な予防としては、アルコール摂取量の制限です。「俺はビールじゃないし・・・」とおっしゃる

あなたにも注意が必要です。なぜならば日本酒も焼酎もワインも尿酸値を上げるのです。

そのほかにも白子やあん肝、魚の干し物も要注意です。尿酸値の上りには生活習慣のみならず、

家系的な先天的な要素もあるとされておりますので、元々尿酸値高めの方は人一倍注意が必要です。

高尿酸血症の方は再診率が非常に低いのが特徴です。定期的なフォローが必要ですので、

仕事終わりにでもお気軽にご相談ください。