腎臓病を早期発見
腎臓の病気を見つけるためには血液検査はもちろんですが、尿検査も重要です。
腎臓病は知らないうちに腎臓の機能が低下していく病気で、本来の機能が果たせなくなると
人工透析が必要になります。人工透析になる原因の4割が糖尿病と言われており、糖尿病の管理が
重要であることもこの事実からうかがえると思います。
腎臓はカラダに必要な物質をのこして、老廃物などの不要な物質を体の外に排出させる「ザル」
というか「ふるい」のような働きをしています。このふるいの機能が低下すると必要なタンパク質までもが
体外に出てしまいます。この時の尿検査でタンパクが検出されると尿蛋白陽性となるのです。
ただ、尿蛋白は運動後やタンパク質を多く摂取している人も、尿蛋白陽性となることもありますので
再検が必要です(本当に陽性なのか?と疑って)。
尿蛋白の検査結果はー、±、+、++、+++の5段階です。+であれば再検して陰性のこともありますが、
+++の場合はたんぱくがかなりしっかり出ているので病気を疑うレベルです。
最近のドラッグストアでは試験紙も販売しているので、ご自身で確認してみるのも良いと思います。
また、血液検査でクレアチニン(Cr)の値も確認すべきです。ですが、クレアチニンは筋肉の代謝産物であり
筋肉量や運動量によっても個人差が多いので参考値となることもあります。そのような場合は
GFRという値を見てください。年齢性別で補正した値が産出されます。このGFRで45未満になってしまうと
腎臓病が強く疑われます。
腎臓の機能が低下する原因として、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がほとんどです。腎臓自体が細かい血管の集合体
ですので、血管の集まりである糸球体(しきゅうたい)に炎症が及ぶと糸球体腎炎になり、急激に腎臓の機能が
低下することもあります。高血圧・糖尿病の方はハイリスクですのでGFRをしっかり確認すべきだと思います。
日本腎臓学会が作成しているツールもありますので、GFRの記載がない場合は下記のページで確認してみてください。
https://jsn.or.jp/general/check 参考になれば幸いです。