2026.05.16

酒で大腸がん

昨日の話題もお酒でしたね。お酒好きの人には耳の痛い話となります。1日あたりの日本酒1号程度の飲酒でもがんの罹患リスクは上昇します。2019年に東大から発表された論文では、日本人において少量の飲酒でもがんのリスクが上がる可能性が報告されています。部位別に見ると、食道がん、口唇、口腔および咽頭がん、喉頭がんなどお酒の通り道になるところなのです。それ以外は大腸がん。実は最新の統計で新たにがんと診断される人の数である「罹患数」を見た場合は、大腸がんが男女合わせて1位に躍り出ているのです。また大腸がんで亡くなる人も増加傾向です。年間5万人を超えて、大腸がん死亡数は男女合わせて2位に上がってきているのです。飲酒によってリスクが上がるのだから大腸がんは酒好きが気をつけなければいけないがんという事になります。でも、学生時代からずっと疑問に思っていたのですが、アルコールは胃と小腸で吸収されて、大腸までほとんど到達しないのに、どうしてアルコールが大腸がんのリスクを上げるのだろうか?みなさん不思議に思いませんか?酒を飲むとアルコールの5%程度が胃で吸収されて、残りの95%程度は小腸で吸収されます。実験データによるとアルコールは体内で代謝されるまで、血液を介して全身を巡っているのです。つまり、毛細血管というルートを通じて大腸にもアルコールが到達しているのです。飲酒により大腸がんのリスクが高くなるのはこうしたことも原因になっているのではないかと考えられています。ルコールは最終的に肝臓や筋肉で代謝されるのですが、その過程で「酸化ストレス」が生まれます。過剰なアルコールの長期にわたる摂取により酸化ストレスが継続的にかかることで腸内細菌のバランスが崩れるのです。アルコール依存症の方の腸内細菌では、酸素に触れると死んでしまうルミノコッカス、ビフィズス菌などが明らかに少ないのです。腸内環境のためには飲み過ぎず、食事には伝統的な日本食がおすすめです。玄米、野菜、きのこ類、果物をバランスよく摂取して肉よりも魚を選び、おつまみは、わかめの酢の物や豆腐、枝豆などもいいですね。脂肪の多い食事は避けるべきでしょう。参考になれば幸いです。