厳粛な場での笑い
笑っちゃいけない時ってあるじゃないですか!でもそんな時ほど笑ってしまう経験ありませんか?笑ってはいけない状況で誰かと一緒に笑い始めると止まらなくなるのはどういうわけなのでしょうか?少し前に大晦日にダウンタウンが「笑ってはいけない24時」という番組を作っていたと思います。あれは普通に面白いことに耐えなくてはいけないので意味合いが違います。厳粛な場面で何かが一瞬目に入り、普段であればクスッとする程度なのに、笑うまいとすればするほど笑いが止まらなくなってしまうのです。集会、葬儀、入学式、卒業式など非常にフォーマルな場面では、脳は能動的な抑制状態(意図的に脳の活動を抑制するプロセス)で機能します。最も関与しているのは脳のおでこ付近にある前頭前野で、内側部と外側部は、社会的判断、行動の制御、感情の調節に関連します。感情が込み上げるのを止めるのではなくて感情の表出を抑制するのです。一方の笑いは、もっと複雑で大脳辺縁系は感情を処理して物事に感情的な重要性を割り振る扁桃体と自律的な身体機能を制御する視床下部があります。笑いを止めようとしてもなかなか止まらなくなるのは、普段は前頭前野が反応を抑制して場違いな笑いを抑制するのですが、脳の興奮や共通の社会的合図によって制御が弱まると自分の意図とは関係なく笑うことになるのです。つまり笑いたい衝動と笑いを止めようとする努力は脳の別々の部分で生じてせめぎ合っているのです。笑いはユーモアに対する反応だけではなくて神経学的には感情的・身体的な緊張を解く調節反射作用もあるのです。感情の抑制を強いられるような状況、制約のある環境では、はけ口がほとんどなく感情の解放の閾値を下げてしまい、体はすぐにでも何かを吐き出してもおかしくない状態となるのです。「場違いな笑い」は無礼、子供っぽいと受け止められがちですが、神経学的には人間の感情の抑制が続けば起きてもおかしくないのです。こらえばこらえるほどツボにハマるのはこのメカニズムだったのです。