2026.07.03

脳の怪我で性格が別人に・・・

脳が心の働きに重要であることが認識されたのは昔のことではありません。心のありか花柄期心臓にあるとされていて、つい200年ほど前までは脳はただ血液を冷やす場所として考えられていたのです。脳が大事と認識されたのは不幸な事故がきっかけとなったとされています。1848年、米国での鉄道工事中に爆発事故が起こり、直径3cm、長さ1m、重さ6kgほどの鉄の棒が、フィニアス・ゲージという男の左頬を貫通し脳の一部を破壊したとされています。幸い一命を取り留め、自分の足で歩いたとされていますが、このゲージは、事故前は部下からも信頼の厚い現場監督を務める好人物であったようですが、事故後は性格が一変してしまい、下品で計画性のない人間になってしまったのです。この時ゲージが損傷した脳の部位は、今では「前頭前野」として知られる人間らしさを司る部分だったのです。この事故がきっかけに、脳こそが人間の性格や行動に重要なものであるとする見方が再認識されることになるのです。1860年代には相手の言っていることは理解できるが発話できないタイプのブローカ失語、発語はできるが全く支離滅裂で意味をなさない言葉しか話せないウェルニッケ失語といった大脳皮質の異なる部位に障害をきたすことで失語が生じる事がわかったのです。これらの知見から1900年台の初頭にカナダの脳外科医ワイルダー・グレイヴス・ペンフィールドは自分の患者の許可を得て、大脳皮質の様々な部位を電気刺激して生じる感覚や運動をつぶさに記録したのです。その地図を作成し、さらに3次元の模型で表したものがホムンクルス(脳の中の小人)です。生物の教科書などで見かけたこともあると思います。手や唇がやたら大きく敏感な感覚を持っていることがわかります。もちろん、人によってこのホムンクルスは異なるでしょうし、マウスであれば手よりもヒゲの感覚が鋭いことから、ヒゲの領域が広いホムンクルスができるのではないかと思います。