熟年男性を悩ませる前立腺肥大症
「夜中に何回も小便に起きる」、「トイレが近い」、「尿が出にくい」という症状を自覚するようになります。これらの症状は、前立腺肥大症という病気によるものと考えられます。この病気は現代病というわけではなく、古今東西、熟年の男性を悩ましていたのです。江戸川柳でも「老いにけらしな小便のやるせなさ」と詠われています。また、中国の古典でも趙王が「坐してしばし、三度排尿のため席を立つ」という某将軍の姿を見て、「この将軍は老いたり」と判断して登用を控えたという逸話が残っています。排尿や排尿困難などの症状は、「自然な老化現象の一つ。だから我慢するより他ない」と諦めている熟年男性も少なくありません。実はこれらの症状は、老化によるものではなく、前立腺肥大症が原因によるもので、泌尿器科の専門的な治療によって改善が十分に期待できるのです。この前立腺は、男性の膀胱の出口に存在し、尿道を取り巻いている臓器です。リンゴに例えると果肉が前立腺で、芯の部分が尿道というわけです。この前立腺、50歳以上になると肥大し、尿道を圧迫し尿道内腔を狭くするのです。そのため、尿が出にくくなるのですが、50歳以上の殿方10人中3〜5人が前立腺肥大症になります。あ〜怖い。この診断は、排尿に関するアンケートである「国際前立腺症状スコア」に記入して頂き、一定の点数以上であれば治療が必要となります。排尿後には超音波(エコー)でお腹の皮膚の上から膀胱に残っている残尿を測定します。正常は10ml以下ですが、残尿が実に2,000mlもある場合もあるようです。前立腺自体の大きさも問題で、必要性に応じて特殊な超音波装置を肛門から入れて計測します。この方法は、泌尿器科専門医の間では世界的に広く行われていて、正常の前立腺の大きさは20g以下ですが、大きくなると100gを超える患者さんがいるようです。ご自身でも自己診断できる方法があるので、参考にしていただけますと幸いです。至って簡単。「排尿が始まってから終わるまで1分以上かかる」そんな人は要注意ですよ〜。ご心配であれば、お気軽に当院泌尿器科にご相談くださいね。