2024.04.21

エイリアン脂肪を知っていますか?

我々人間の脂肪には、皮下脂肪、内臓脂肪というのはよく耳にしたことがあると思います。

その他にも第3の脂肪と言われる異所性脂肪と呼ばれる本来つくことのない場所に

ついてしまう脂肪があります。余分に取り込まれてしまった脂肪が、皮下脂肪や内臓脂肪

以外にその他の領域に運ばれてしまいます。その行き先は心臓の周囲であり心臓周囲脂肪と

呼ばれており、あたかも心臓に寄生してダメージを与えることから「エイリアン脂肪」と言われます。

内臓脂肪や心臓周囲脂肪が増えると、インスリン感受性促進作用や抗炎症作用を持つ善玉ホルモン

であるアディポネクチンの分泌量が低下して、脂肪そのものから出てくる炎症性サイトカインにより

動脈硬化が引き起こされると言われております。

サイトカイン?なにそれ?という方にもっとわかりやすくいうと・・・

エイリアン脂肪が心臓の周囲に付着するとそこから細い血管を出して冠動脈につながります。

冠動脈は心臓自身を栄養する超大事な血管です。人間が本来あるはずのないところに溜まった

エイリアン脂肪を異物(いらないもの)と判断して白血球の一種であるマクロファージ(バイキンを食べるやつら)

が退治しようとして攻撃します。その時にマクロファージがだす毒素がエイリアン脂肪から冠動脈に出された細い血管

を通って冠動脈に流れ込み、逆に血管に炎症をきたしてしまい動脈硬化を早めるとされているのです。

どんな人が気をつけるべきなのか?

以前より太ってしまった・・・特にお腹周りに肉がついたという方はご注意ください。

私のようにすでに太っている人間は脂肪を溜め込む場所が多くて、少し太っても脂肪がつくべき場所に収まるので

影響は少ないとされます。ですが、痩せている人は脂肪も少なく、溜め込む空間もあまりありません。

そのため急に太ってしまうと、本来つかないはずの場所つまり心臓周囲に脂肪が溜まってしまうのです。

心臓周囲脂肪は高血圧や脂質異常症、糖尿病といった冠危険因子や冠動脈石灰化があってもなくても、

将来の狭心症や心筋梗塞を発症させる独立した危険因子であることが報告されています。

早い話、心臓周囲脂肪があるとよくないということですね。えーーーどうしよう。と心配しているあなた!

エイリアン脂肪こと心臓周囲脂肪は有酸素運動や大豆製品・魚・野菜などのバランスの良い食事療法で

減量すると他の脂肪よりも1番最初に落とすことが可能であると言われております。

若いと人比べて10kg以上増えた方は、心臓周囲にエイリアン脂肪がいるかもしれません。ご注意を!!