2024.06.09
アトムの心臓①
「アトムみたいにさ、鉄の心臓を作ってもらって、佳美ちゃんも絶対に
一緒に生きようね」と帯に書かれておりました。文春文庫から発刊されている
『アトムの心臓「ディアファミリー」23年間の記録』という書籍を読みました。
来週映画が放映されるのでネタバレになってしまうので内容は詳しくは書けません。
この話は、私の医師人生を始める動機にも大きくかかわるお話で一気に読めました。
当時、根治困難な先天性心疾患をもって生まれた娘さんに、最先端の治療法を様々な
病院で治療を断られ、ためてきた資金で人工心臓の開発に乗り出すお話です。
人工心臓には、今でこそ完全埋め込み型の人工心臓がありますが、全くのゼロから
米国のクリーブランドクリニックで開発した阿久津哲造(心臓外科医)のアクツハートの
お話も出てきました。それは塩化ビニルから心臓を開発して犬に埋め込んで
1時間半、生命を維持し、世界初の人工心臓が完成したという事実があります。
阿久津先生の本を高校2年生の時に読んで俺も人工心臓の開発に関わりたいと思い、
私は医学部を目指したのです。つまり、当初患者さんを診る医者ではなく、
人工心臓の研究者になりたかったのです。
普通医学部に入るときに、何科に進もうかな?と決めているほうが少ないと思います。
でも私の場合は1年生の時から心臓血管外科に進みたい。その一心でした。
お金を出せば教科書も買えますし、いろいろな専門書をむさぼり読んでいた学生生活でした。
かなり変わった学生だったのでした・・・