血液ドロドロの謎
「先生!私の血ってドロドロでしょう?血液検査のどこを見たらいいの?」って
たまーーに言われます。外来では聞きたいのかもしれませんし、気になっているのでしょう。
テレビや雑誌、インターネットなどでこんなことが書かれていたとか、何となく悪そうな
気がするけど、とにかくドロドロよりサラサラでいたいという気持ちもわかります。
実は、医学的にはそのような状態を定義されていないのが真実です。
イメージとして「なんとなく血液の流れが悪くなりそう」的な感じでしょうか。
あくまで例えですが・・・ご自身の血管を下水管として考えると「下水を流すといろんなものが
管の中に溜まってきて流れが悪くなります。いろんなものが流れると詰まりやすくなるイメージです」
つまり、血液ドロドロは動脈が詰まりやすくなる状態を指していると考えられます。
実際はドロドロしているかどうかを別にしても、詰まりやすい血液は、血糖値やコレステロール値が
高いだけでなく、血圧が高い状態や喫煙が長期にわたっている状況は動脈が詰まりやすいのです。
なぜ詰まるのか?それは血管の内腔が動脈硬化によって狭くなるので血流が悪くなるのです。
本当に血管が詰まれば、血流が途絶えてしまい、そこから先の細胞や組織、器官つまり臓器に
多大なるダメージを与えてしまうのです。心筋梗塞や脳梗塞がわかりやすい例です。
その血栓や梗塞が起きないように血液を固まりにくくするお薬を内服することがあります。
これがいわゆる「血液をサラサラにする」と言われるものです。巷には「サラサラにする」食品や
サプリメントなどがネットなどで紹介されていますが、それらは、我々医師が処方する薬剤と比較すると
効果が高いものとは言えません。血管が詰まりやすくなる糖尿病、脂質異常症、高血圧症や血栓防止の
治療をせずに済むことは決してないのです。サラサラにする薬にはメリット、デメリットがあるので
医師、薬剤師に相談の上内服することが望ましいと考えます。