咳が続くんですぅ〜
外来に咳が1ヶ月続くんですと来られる方がたまにいます。
中には2ヶ月、半年の方もおられます。呼吸器科が専門でないので
決して詳しいことは言えませんが、おそらく、専門家には
「オイオイ、なんでそんなにほったらかしていたんだ・・・」と怒られて
しまうかもしれませんね。実際、他院で怒られて意気消沈して「どうにかしてください」
と来院された方もいます。咳の原因がわからず、いろいろな病院を受診して、
鎮咳薬などの対症療法を導入されてもよくならず、来院されることがあるのです。
その時点で相当ハードルが高くなっています。もはや棒高跳び状態です。
我々臨床医は、8週間以上続く咳のことを「慢性咳嗽」と呼びます。そして3週間よりも
短い期間続く咳のことを「急性咳嗽」と呼びます。じゃあ3〜8週は?と言われると
「遅延性咳嗽」と呼びます。咳が持続する機関によって3つに分類されているんです。
遅延性咳嗽と慢性咳嗽の対処はほとんど同じなので、多くの場合「遅延性慢性咳嗽」と
一括りにしていることが多いように思います。
急性咳嗽の多くはウイルス性の呼吸器感染症、いわゆる風邪です。でも風邪が8週間以上
継続することはありません(一部感染後咳嗽を呈することもあります)。
慢性咳嗽を見た時には咳喘息やアトピー咳嗽など、特殊な呼吸器疾患も考慮しなくては
いけません。以前、若年層の若い女性が来られて特に以上なくでも咳嗽が止まらず
近くの総合病院に紹介したところ、胃食道逆流症が原因と返書をいただきました。
食後横になると咳が出やすいことは頭にあったのですが、まさか問診からは想起できず
患者さんにとても申し訳なく思ったことを今でも鮮明に覚えています。
咳に苦しめられている患者さんは、非常に辛いのです。外来受診中にはたまたま咳が
出ないこともあり、大丈夫でしょう?と思われるのではないかと心配になるかもしれません。
でも、安心してください、大丈夫ですよ。しっかりとマスクをして来院ください。