痛風とプリン体
痛風ならプリン体制限をしなくちゃ!と考えてる方は非常に多いです。
でもこの常識は本当に根拠があるのでしょうか?
プリン体は尿酸の原料なのですが、プリン体はほとんどが体の外からやってくると
思っている人が多いでのはないでしょうか。実は少なくとも6割ほどは自分の体由来
なのです。一つ一つの細胞の中にある核から出たゴミがプリン体と呼ばれて、これが処理
されて、やがて尿酸となります。尿酸は血液中に溶け出して、それが尿中・便中に排泄され
ゴミ処理が完了するのがメカニズムです。では残りの尿酸はというと食べ物由来なのです。
ゴミ処理がゴミの量相応に行われれば問題なのいのですが、尿酸の作られる量が捨てる量を
上回ると、尿酸値が高くなり、関節に沈着すると痛風と呼ばれる関節炎を引き起こしてしまいます。
また、尿中にたくさん尿酸が捨てられる状況も尿中で尿路結石症をきたしてしまう可能性があります。
痛風を発症した際は、尿酸値を高いままにしておくと、繰り返し同様の病態を発症してしまうので
尿酸を下げる治療をします。冒頭でも記載しましたが、体内で作られる尿酸以外に食事からの摂取
による影響も考えられてきましたが、近年の研究ではあまり影響がないのではないかとされております。
普通の食生活を送っている人は、プリン体を制限してもほとんど無効であり、
実際には、プリン体制限をしても平均で尿酸値は1mg/dlしか下がらないと考えられています。
めちゃくちゃ頑張ってプリン体制限をしてしまうとタンパク質制限につながり、炭水化物や脂質の
摂取量が増えてしまい栄養バランスを崩し健康への悪影響が懸念されます。
痛風の予防、高尿酸血症の改善は肥満のある方であればダイエット、飲酒をする方であれば節酒、
そしてバランスの良い食生活が取り組むべきポイントです。
ビールは「プリン体OFFであればいくらでも飲んでもいい!」なんてことは嘘なのです。
企業のビジネス戦略にまんまと乗っからないでください。