2024.12.02

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」

本屋さんでよく見かけることが多くて以前から気になっていました。

集英社新書から出版されている三宅香帆さんの書籍です。ぜひ皆さんにも読んでいただきたので

ネタバレ注意で書きますが、読書の変遷ですね。時代とともに変わる読まれるもの、どんな読書が

なされていたのかを紐解き、社会を知るための読書から自分自身を変えようとする読書への変化

がある中でノイズと表現されていましたが、社会や感情、読書さえもノイズであり、自分から

離れたところにあるノイズに触れることが教養であり、ノイズが除去された情報で生きることはできない

こと。何を読みたいのか、知りたいのかをわかっていなくても読書を通じて、接することのない情報に

触れて知識や感動を得ていくので、ノイズがあるからこそ読書も人生も面白いと書かれております。

一言では説明できないのですが、興味深い書籍です。ぜひ皆さんにもお勧めしたいです。

読書の秋はとうにすぎましたが・・・今日の話題は読書!

人間は対人関係を重要視している生き物です。相手の感情や行動を読み取りながらふさわしい行動・

対応を心がけています。ない人もいますが、心遣い・気遣いによって潤滑な社会を生み出します。

本人の自覚はさておき、対人関係が得意な人、そうではない人がいます。2013年のサイエンスに

掲載されたニュースクール大学の論文によると心を読む能力は「小説を読むのが効果的」と

されています。感情を推測するテストの直前に短編小説を読んでもらうとテストの点数が5~10%

上昇しました。ただしこの研究では、文学賞を受賞するような格調の高い文芸作品ではなくて

はダメです。隠喩や多義的表現など芸術的なスタイルで記載されて

いることで、読者に場面をイメージさせています。これが心を読む訓練になると推測されています。

「読書をして考えないのは、食事をして消化しないのと同じである」と哲学者エドマンド・バーグが

言っております。ぜひ、心理的負荷の高い読書を通じて「ヒト度」を高めてみませんか。