「絶対に」食べない方がよいもの
1999年に「買ってはいけない」(金曜日)という本が1年で194万部を売り上げる大ベストセラーに
なりました。その中で食品添加物や化学物質の害についても指摘されており、当時多くの人が影響を
受けて、今もなお添加物を避けようとする人もおられます。今でもそうですが、TVで「玉ねぎが
健康によい!」と報じられればスーパーからは玉ねぎが売り切れてしまう状況ありませんか?
今でこそエビデンス、エビデンスと医者も論文をもとに情報を吟味していますが、「買ってはいけない」
食べ物なんてないし、利点と欠点がそれぞれあるので、絶対食べてはいけないと言い切れるものは
少ないはずです。それでも”絶対に食べない方がよい”ものが一部存在します。それが、以前も紹介
させていただいた『トランス脂肪酸』です。脂肪酸には種類によって身体にに及ぼす影響が180度
変わってきます。例えば、DHA、EPAなどの魚油と呼ばれる脂肪酸は、非常に健康効果の高い”最高
の油”ですが、トランス脂肪酸は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加し、
善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上昇させます。
1日に摂取するエネルギーのうち2%を脂肪酸で摂取することで、心筋梗塞などの心臓病に罹患する
リスクが16%上昇したというデータもあります。トランス脂肪酸を多く含む食品としては、
チョコレート、ポテトフライ、ケーキ、カップ麺、マーガリン、スナック菓子などが挙げられます。
結構口にしてますよね?ちなみに世界保健機関(WHO)は「2023年までに食品に含まれる
トランス脂肪酸は一切の根絶をするべきだ」と呼びかけました。アメリカ、カナダ、台湾、タイなどは
使用を禁止したり、シンガポールや韓国ではトランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けています。
日本は禁止どころか、含有量の常時する義務付けられていません。なぜか?厚労省は「日本人の
平均摂取量は0.3%程度なので、健康上の問題はない」というものです。
今後、日本でもトランス脂肪酸の禁止やせめて含有量の表示記載でもなされることが望ましいと
思いますが、現時点では「マーガリンなどのトランス脂肪酸が含まれた食べ物を避けましょう」と
いうしかないのが現実です。それでも企業努力をしているマーガリン業界には申し訳ないとも感じます。